ロサンゼルスにある「世界一裕福」な美術館、1997年に開館したゲッティ・センターが2027年3月15日から、初めて一時閉館する。約110エーカー(約44.5ヘクタール)の敷地に建設された同美術館は、2028年に予定されているオリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、およそ1年をかけて改装工事を行う。
この計画について、米国の石油王と呼ばれたJ・ポール・ゲッティが設立したゲティ財団の現在の理事長兼CEO、キャサリン・エリザベス・フレミングは声明で、財団のモットーのひとつ、「All for Art(すべてはアートのために)」を挙げ、「再構築され、新たに提供するものを備えたゲッティ・センターは刺激的な、新たな門出を迎えることになる」と説明している。
建築家リチャード・マイヤーの設計によって完成したこの施設の改装には、「アートを自然の対話をもたらす」ためのギャラリーの再生などが含まれるという。建物と公共の空間・施設の改修も行われるほか、新たに制作を委託する作品も公開される。
また、サンタモニカ山脈の丘の上に建てられた美術館とふもとの駐車場を約4分で結び、年間およそ180万人が利用するトラムも、アップグレードされる予定。この改修工事は、トラムの利用者に「新たな経験を提供する」ものになるという。地元紙ロサンゼルス・タイムズによると、改修工事にかかる費用は6億~8億ドル(約940億~1260億円)にのぼる見通しだ。
ロサンゼルス市内のブレントウッド地区に建てられたゲッティ・センターには、20世紀以前に制作された欧州の絵画や彫刻、装飾写本や装飾美術品、そして写真などが展示されている。
ゲッティ・ヴィラは営業を継続

一方、ゲッティ・ミュージアムを構成するもうひとつの施設、マリブ海岸近くに位置するゲッティ・ヴィラ(Getty Villa)は、約16キロメートル離れた場所にあるゲッティ・センターの改修工事中も営業を継続する。
このヴィラは、J・ポール・ゲッティが古代ローマの都市ヘルクラネウムにあった「パピルス荘」を再現して建設、1974年に美術館として開館したものだ。



