北米

2026.05.10 17:00

11月の米中間選挙に向け「184億円」献金、トランプを支援するビリオネア25人

Photo by Kevin Carter/Getty Images

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2024年の米大統領選でドナルド・トランプの勝利を後押しした特別政治活動委員会(スーパーPAC)が、2026年11月の中間選挙に向けて再始動し、資金の使い道をめぐる疑問が浮上している。2025年、共和党の従来型の大口献金者と、新たに台頭したテック・金融分野のビリオネアは、巨額の資金でトランプを支援するという点で一致していた。

約19億5000万円を献金した、個人最大の献金者2人

2026年2月、ビリオネアのケルシー・ウォーレンと、彼が率いる化石燃料パイプライン企業エナジー・トランスファーは、それぞれ1250万ドル(約19億5000万円。1ドル=156円換算)を、トランプ系スーパーPAC「MAGA Inc.」に献金した。その数カ月後には、OpenAIの共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマンと妻のアンナ・ブロックマンも、それぞれ同額の1250万ドル(約19億5000万円)を拠出した。

富豪25人の献金額は計約184億円、それぞれ1億5600万円超を拠出

この結果、ウォーレンとブロックマンはMAGA Inc.の最大の個人献金者となった。ただし、トランプを支える大口献金者の顔ぶれは、この2人に限らない。米連邦選挙委員会(FEC)の3月末までの開示資料によれば、少なくとも24人のビリオネアやその一族が100万ドル(約1億5600万円)以上を拠出している(なお、ブロックマンは現時点でフォーブスのビリオネアリストには含まれていないが、OpenAIをめぐるイーロン・マスクの訴訟に関連する証言で、自らをビリオネアだと主張している)。

こうしたビリオネアにブロックマンを加えると計25人になる。これら富豪の献金額の合計は、1億1800万ドル(約184億円)に達し、MAGA Inc.が集めた政治資金3億5000万ドル(約546億円)の約3分の1を占めている。

ウォーレンとブロックマン以外の顔ぶれを見ると、近年の共和党への大型献金でおなじみの名前が並ぶ。ウォール街のトレーダーのジェフ・ヤスは1600万ドル(約25億円)、プライベートエクイティ大手ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンは500万ドル(約7億8000万円)、エスティローダー一族のロナルド・ローダーは500万ドル(約7億8000万円)をそれぞれ献金した。

トランプ政権で役職を獲得したイーロン・マスクとケリー・ロフラー

一部富豪は、資金援助によって実際にトランプ政権での役職を獲得した。その例に当てはまる2人のビリオネアが、かつて政府効率化省(DOGE)を率いたイーロン・マスクと、中小企業庁(SBA)長官のケリー・ロフラーだ。マスクは500万ドル(約7億8000万円)を献金し、ロフラーも夫ジェフ・スプレッカーによる250万ドル(約3億9000万円)を含め、合計500万ドル(約7億8000万円)を献金した。

ビリオネアではない献金者の中にも、その後に役職を得た人物がいた。NASA長官のジャレッド・アイザックマンは200万ドル(約3億1200万円)、シンガポール大使のアンジャニ・シンハは100万ドル(約1億5600万円)、ハンガリー大使に指名されたベンジャミン・ランダは500万ドル(約7億8000万円)を献金していた。

OpenAIと暗号資産業界が得た政策上の対応

MAGA Inc.への献金と前後して、トランプ政権が献金者側に有利な対応を取ったケースもある。トランプ政権と緊密な関係を築いてきたブロックマンのOpenAIはその一例だ。同社は、競合するAI企業Anthropicが国防総省と対立した直後に、すかさず連邦政府の契約を獲得した。

暗号資産業界に目を向けると、この構図は鮮明になる。ウィンクルボス兄弟はそれぞれ100万ドル(約1億5600万円)を献金し、ベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパーも100万ドル(約1億5600万円)を拠出した。MAGA Inc.の主要ビリオネア献金者であるこの3人は、いずれも暗号資産で巨額の富を築いた人物だ。献金者全体で最大の金額を拠出したCrypto.comの親会社Foris Daxは、4回に分けて計3500万ドル(約54億6000万円)を献金していた。

暗号資産企業は規制緩和を強く求めてきた。しかも、トランプ自身が手がける暗号資産関連事業は、再選後のトランプの資産を約18億ドル(約2808億円)も押し上げている。こうした状況は、業界側の要求にとって少なくとも逆風にはなっていない。

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翻訳=上田裕資

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