兵庫県姫路市にある昆布などの海産物の加工販売を行う創業100年の老舗、日高食品工業は、現在、AIの導入を進めている。だがそれは華々しい大規模なDXではない。
企業のAI導入を支援するZeptは、日高食品工業の事例をレポートした。それは「できることから、ひとつずつ」、着実に変化を積み重ねるアプローチだという。
そもそものきっかけは、イベントのための告知動画や画像をAIで作れないかと考えたことだった。やってみると「こんなに簡単に作れるんだ」という「小さな成功体験」により、社内にAIへの親しみがもたらされたという。

同時に、それまで紙で管理していたカレンダーをGoogle Workspaceに移行して情報の蓄積や共有を行った。それにより、「AIに何を任せられるか」が少しずつ見えてきた。
現在は、「AIに何ができるか、やっとわかってきた」段階とのこと。全社員がAI研修を経て基礎知識を共有し、各部署が「自分ごと」としてAI活用を考え始めているということだ。そうした「地に足の付いた変化」が社内に確実に起きている。
「AI導入は大企業だけのもの」という時代は終わったとZeptは指摘する。最初から完璧を目指すのではなく、現場に合ったAIの使い方をいっしょに見つけていく、というのがZeptのスタンスだ。日高食品工業が踏み出した小さな一歩は、「同じ悩みを抱える全国の中小・老舗企業へのヒントになると信じています」と同社は話している。
組織として推進するAI導入は、各自が勝手にAIを使うシャドーAIとは別次元の課題だ。部署ごとに何に使うかを定め共有したうえでAIを利用する。その場合、上からの押し付けにならないよう、全員がその意義を実感するという気づきが重要だ。日高食品工業の事例はその好例となる。まさに、「できることから、ひとつずつ」だ。



