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2026.05.06 15:41

Pony.AI、クロアチアから欧州ロボタクシー市場に参入へ

Robert - stock.adobe.com

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Pony.AIは、クロアチアのロボタクシー企業Verneと提携し、ザグレブで欧州初の展開を行う。これは欧州の路上で自社の実力を素早く示す方法だと、4月15日にサンフランシスコで開催されたRide AIカンファレンスで講演した同社CFOのレオ・ワン氏は語った。Verneは当初、独自に開発した2人乗りロボタクシーとMobileye Driveを使ったロボタクシーサービスの開始を計画していたが、新サービスではPony.AIの自動運転システムと中国製Arcfox車両を採用し、UberアプリとVerneアプリの両方から配車を利用できるようになる。Verneは2人乗り車両の開発を継続し、後日展開する予定だとしている。

Pony.AIが欧州のロボタクシー市場に強い関心を寄せるのには、もっともな理由がある。欧州は豊かであり、米国とは異なり、中国製車両や中国のロボタクシー企業が現地で事業を行うことに比較的開かれている。中国のロボタクシー市場は規模が大きいが、競争はすでに激化しつつある。中国では人が運転するライドシェアが安価で、ロボタクシーに対して強力な競合となっている。所得の低い国々では、人が運転するタクシーも自家用車も、より手に入りやすい。

米国の高い料金水準であっても、ロボタクシーが果たして利益を出せるのかと、公然と疑問視する向きもある。ロボタクシー開発企業はこれに同意せず、将来得るはずの利益を見込んで数十億ドルを投じている。しかし、車両が安く、料金もより低くせざるを得ない市場では、この問いはいっそう不確かになる。

そのため、Pony.AIをはじめとする中国企業には欧州市場が必要なのだ。特に、米国では法律により参入が禁じられている現状ではなおさらである。ワン氏によると、欧州の規制当局は中国の路上で収集された安全性データをあまり重視していないという。Pony.AIは、クロアチアでパイロット事業を行うことで、欧州の路上での実績を示し、欧州の規制当局への訴求力を高め、EU域内での展開を円滑にできると考えている。

中国勢は有利な位置にいる。欧州では規制の動きが遅く、Waymoはロンドンでようやく初のテスト運用を始めたところだ。フォルクスワーゲン傘下のMOIAは、ハンブルクでセーフティドライバー同乗のシャトル実証を行っており、MobileyeベースのID-Buzz車両が2026年に運用に入ると主張しているが、無人での運行が可能であることを示す証拠はまだ提示していない(Mobileyeは当初Verneのプロジェクトで自動運転システムとして採用される予定だったが、取りやめとなった)。欧州のもう一つの主要プレーヤーはWayveで、エンドツーエンドのLLM(大規模言語モデル)ベースのシステムとして高い柔軟性をうたうが、いまだどこでも無人運行を行ったことはなく、無人の自動運転システムよりもADAS(先進運転支援システム)製品に主眼が置かれている。テスラも欧州での野心を持ち、政府による広範なテストを経て、オランダで監視下のFSDシステムを販売する許可を得たばかりだ。

中国勢は準備が整っており、ロボタクシーは安い。BaiduとPony.AIはいずれも、最新世代のロボタクシーが中国でおよそ4万ドルだと主張している。他の車両ははるかに高価だが、テスラは、もし無人運転に成功すれば、Cybercabの製造コストは約3万ドルになるとしている。中国車は欧州では価格が上がるものの、それでも非中国モデルに対して大きな価格優位がある。現時点では車両コストはロボタクシーの料金やコストにほとんど影響しないが、2030年代にはそうではなくなるだろう(ただしその場合でも、車両コストはロボタクシーの売上原価の約30%に過ぎない)。同時に、このビジネスにおける主要な競争要因として最も有力なのはコストと待ち時間であり、それがこの収益性の高い市場において中国企業に優位をもたらす。

欧州は豊かで、自動車依存が強い。ただし米国やカナダほどではない(欧州の移動距離のうち自動車が占める割合は82%で、米国の92%に対する数字だ)。一方で、この差は、適切な代替手段さえあれば、欧州の人々が他の富裕国よりも自動車を所有しないことにずっと前向きであることを意味する。現在、非自動車保有者は公共交通機関や自転車に頼っているが、そこにロボタクシーが加わることで、さらに多くの人が切り替えられるようになる。自動運転の真の市場機会は、自動車所有の置き換えにある。

Pony.AIはまた、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、セーフティドライバーなしの車両テストも開始した。同社は、今年後半に有料乗客向けのサービスを開始するとしている。WeRideとBaiduのApollo Goも、友好的な規制と高所得市場に惹かれてドバイで展開を始めている。現時点でサービスエリアは限定的だ。Baiduはスイスの農村部でもいくつかのテスト運用を行っており、ロンドンではマッピングを実施している。

Baiduのシステム停止

BaiduのApollo Goシステムが武漢で起こした大規模な障害について、Baiduから新たな情報は出ていない。100台超のロボタクシーが、走行レーン上で最大2時間にわたり停止した。Baiduは、この事案について追加の発表を行う時期を示していない。

forbes.com 原文

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