コロナ禍以降、在宅勤務は定着したように見える。だが、働く人たちの理想はそう単純ではないかもしれない。
オフィス家具・空間設計のイトーキが国内のオフィス勤務者5000名と首都圏を中心とする101社を対象に実施した調査が、その実態を浮かび上がらせた。
中間層が消えた二極化の実態
2025年調査で「週5日以上(毎日出社)」を理想とする人の割合は42.0%で、2023年の30.7%から10ポイント以上増加した。一方「基本的に在宅」を望む人も6.8%から9.4%へ微増している。

増えたのは両極で、縮小したのは週2〜3日程度の中間層だ。企業側も対面コミュニケーションを重視する方針を強めており、働き手と雇用側の志向が珍しく重なりつつある。ではなぜ、人はオフィスに戻りたいのか。その答えは少し意外なところにある。
出社回帰の陰に潜む個人志向
オフィスに求める機能の上位に挙がったのは、周囲の音や視線を遮断して集中できるスペースと、WEB会議専用の個室ブースだった。チームミーティングの場でも、同僚との雑談スペースでもない。在宅では作りにくい一人の環境を求めて人はオフィスへ向かっているということになる。

その変化は会議室の構成にも表れている。1名用の個室が年々増え続け、設置されている個室の85%がWEB会議対応のブース型だ。オンライン会議の定着が、一人で使う小さな空間へのニーズを押し上げているのだ。




