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2026.05.11 12:45

初任給アップで喜ぶ新入社員の15パーセントが今後の昇給に不安な訳

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春闘の賃上げ、初任給の引き上げ。ニュースの見出しだけを追えば、新社会人に追い風が吹いているように見える。

だが、その恩恵を受けるはずの新入社員たちの本音はどうか。人材育成・採用支援のジェイックが新入社員を対象に実施した調査が、歓迎の裏に潜む複雑な実態を映し出している。

使い道トップは家族へのプレゼント

初任給の使い道(生活費以外、複数回答)のトップは「親や家族へのプレゼント」(74.9%)で、「趣味」(47.8%)、「貯蓄」(40.5%)が続く。同社は4年連続でこの調査を実施しているが、上位の顔ぶれに大きな変動はないという。経済的自立の第一歩において、自分を支えてきた家族への感謝を形にしたいという意識は強いようだ。

そうした使い道の選択と同様に、就職活動における初任給への意識も鮮明だ。「入社を決める際、初任給の額はどの程度影響したか」という問いに、「大きな決め手になった」(13.8%)と「決め手のひとつになった」(52.6%)を合わせると66.4%。3人に2人が、給与水準を入社判断の重要な材料としていた。


採用競争が激しさを増すなか、初任給の引き上げが若手獲得に一定の効力を持っていることは、この数字からも読み取れる。

歓迎の裏にある昇給への不安

引き上げが続く初任給を、新入社員自身はどう受け止めているのか。「モチベーションが上がる」と答えたのは65.6%と多数を占める。だが14.6%が「今後の昇給が不安」と回答した。初任給の高さが将来の昇給ペースの鈍化につながらないかと、長期的な視点で冷静に状況を見ているのだ。

歓迎と警戒が同時に存在するのが、この世代の率直な姿だともいえる。

同社取締役の近藤浩充氏は、初任給の水準だけでなく、入社後の活躍が報酬にどう還元されるかの評価基準とキャリアパスを明確に示すこと、そして日々の成長実感を可視化する丁寧なマネジメントこそが新入社員の真の安心感につながると指摘する。

初任給の引き上げが当たり前になるほど、新入社員の目線はその先へと向かう。金額で入り口を整えるだけでなく、入社後の納得感をどう設計するかが、今後の企業の採用力を左右することになっていくのではないだろうか。

【調査概要】
調査期間:2026年4月3日〜4月10日
調査対象:ジェイックが提供する新入社員研修の受講者247人
調査方法:Webアンケート

プレスリリース

文=池田美樹

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