キャリア

2026.05.18 11:00

アンソロピックが調査、AIは生産性を高める一方でレイオフへの不安も強める

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AIに近いところにいる人ほど、その恩恵と潜在的な脅威の両方がよく見えてくる。AnthropicがClaudeユーザー8万1000人を対象に実施した新たな調査で、こうした逆説が明らかになった。生産性向上を最も大きく実感している人ほど、仕事を失うことへの不安も強い。特に、AIの影響を受けやすい職種や、キャリア初期の労働者でその傾向が目立つ。

ClaudeのようなAIツールは、個人のレベルでは人に力を与えるものだと、調査の著者らは指摘する。「人々は、雇用主やAI企業よりも、自分自身に恩恵がもたらされていると語る傾向が最も強い」。

AIの利用によって最も大きな生産性向上を果たしたのは、高所得層の労働者、とりわけ起業家や技術者だった。一方で、低賃金の仕事に就く人や学歴の低い人々も、大きな生産性向上を報告している。Anthropicの研究者らは、「回答者の大半は、Claudeによって仕事の範囲が広がったり、仕事が速くなったりする形で、自分の能力が高まったと報告した」と述べた。「しかし、最も大きな時間短縮を経験したユーザーほど、AIが雇用に与える影響を最も不安視していた」とも続く。

このデータは、Anthropicの「Economic Index」(経済指数)の一部であり、AIに対する人々の考えや印象を深く掘り下げたものだ。もちろん、分析にはClaudeが使われた。

AIに後押しされる未来について考えるとき、人々の懸念は経済面に向かう。回答者のおよそ5人に1人が、仕事を失うことを心配していた。同時に、研究者らによれば、回答者は「仕事でより生産的になり、力を得ているとも感じている」という。「あるケースでは、AIによって起業できるようになったり、より重要なことに使う時間が生まれたりしている。別のケースでは、AIが息苦しいもの、あるいは雇用主から押しつけられたもののように感じられている」という。

AIは、副業への挑戦も可能にしている。調査は、「たとえば、ある配送ドライバーはClaudeを使ってEC事業を始めようとしており、ある造園業者は音楽アプリを開発していた」と報告している。注目すべきことに、調査で、最も大きな生産性向上を挙げたグループは起業家だった。

当然ながら、研究者らは「AIの影響を受けやすい職業に就く人ほど、自分の仕事が自動化によって失われることへの不安を表明する傾向があった」としている。「AIの影響を受ける度合いが10ポイント高まるごとに、認識される雇用への脅威は1.3ポイント上昇した。影響を受ける度合いが上位25%に入る人々は、下位25%の人々に比べて、この不安に言及する頻度が3倍だった」。

キャリアの段階も、受け止め方に違いをもたらしている。「キャリア初期の回答者は、上級職の労働者に比べ、仕事を失うことへの不安を表明する可能性がはるかに高かった」。

全体として、人々は平均して有意な生産性向上を報告していた。1から7までの尺度で、平均値は5.1だった。ただし、回答者は「アンケートに応じる意思のある積極的なClaudeユーザー」であり、「平均的ユーザーよりも生産性向上の効果を報告しやすい可能性がある」という留保が付されている。最も多く挙げられた生産性向上の形態は「業務範囲の拡大」で、生産性への効果に言及したユーザーの48%がこれを指摘した。次いで40%が「高速化」を強調している。

生産性向上が最も控えめだった2つのグループは、科学者と弁護士だった。一部の弁護士は、AIが正確な指示に従う能力を疑問視している。ある回答者はこう述べている。「何がどこにあるのか、法律文書をどう読むべきか、何をしてほしいのか、非常に具体的なルールを与えてきました。それでも毎回そこから逸脱してしまうのです」。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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