では、手頃に暮らせる場所を探している移住希望者はどうすれば良いのだろうか? ジョンソンは、スペインの定番の観光地以外を勧めている。内陸部の都市や観光客の少ない地域では、生活の質を損なうことなく、住宅費を大幅に抑えることができる。「海岸沿いや設備の整った大都市は割高だ。この点では、スペインは他の多くの国と大して変わらない」
スペインで最も生活費が安い場所
米国人の間で人気が高まっているのが、ポルトガル国境からフランス国境の間に位置するスペイン北部の大西洋沿いのコスタベルデだ。ジョンソンは「物価が安く気候も涼しいという点は、多くの人にとって魅力的な組み合わせだ」と語る。
南部アンダルシア州のグラナダのような中規模都市も注目されており、生活のしやすさと手頃な価格のバランスが優れている。また、大都市周辺の小さな町も割安であることが多い。
その一方で、驚くほど物価の高い都市も存在する。ジョンソンは次のように説明する。「サンセバスティアンやビルバオは、コスタベルデの中でも例外的な存在だ。息をのむほど美しい地域だが、それに応じて物価も高くなっている。マヨルカ島のデイア、南部マラガ近郊のエステポナ、東部バルセロナ郊外のシッチェスといった定年後の移住先として人気の地中海沿岸の都市では、家賃が極めて高い」
スペイン移住の心得
スペインへの移住から得られる経済的な利点は、収入源によっても異なる。リモートワーカーや退職者、外貨で収入を得ている駐在員などは、スペインの比較的安い生活費を最大限に活用できる立場にあると言えるだろう。一方、現地で収入を得ようと考えている人にとっては、スペインの給与水準は一般的に低いことから、状況は大きく変わってくる。住宅費の高騰と賃金上昇の鈍化により、多くの地元住民にとって生活費の負担は重くなっている。つまり、スペインの「物価の安い国」という評判は、立場によって大きく左右されるのだ。
ジョンソンは次のように語る。「インフレや急騰する住宅費に賃金が追いついていないため、多くの地元住民にとってスペインでの生活は信じられないほど高価なものになりつつある。米国の年金や投資、リモートワークによる収入がある外国人移住者は、地元住民とは全く異なる体験をしているという事実を認識し、配慮することが大切だ」
これが結局のところ、重要な点だ。スペインは米国より生活費が安いと言えるが、どのようにして移住を実現するかを理解しなければ、真の利点は得られない。


