「飼い主がとにかくリラックスした態度でいることが、飼い主自身が思う以上に重要だ」とカーニーは指摘する。「人のにおいや動き、声の抑揚や呼吸のリズムの変化を、猫は敏感に感じ取るからだ」
飼い猫がすでに動物病院に悪いイメージを持っている場合は、別のルートで向かうようにしよう。安全のため、キャリーは必ず車の後部座席の床に置いておくことをカーニーは推奨している。
キャリーの選び方
カーニーによるとほとんどの獣医師は、上面と前面が開くタイプのキャリーを推奨している。静かにキャリーを開け、できるだけストレスを与えずに猫を出せるからだという。
一方、猫たちは、しっかりした構造のキャリーを好む傾向があり、特に底部が硬いと体が支えられて安心するという。内部にはクッション性の高いマットなどを敷こう。
「多くの猫は、ドーム型の丸いキャリーバッグを好む。ドームの蓋がジッパーで完全に外せるタイプだ」とカーニーは言う。「これは猫にとっても獣医師にとっても、とても素晴らしいことだ。なぜなら猫は快適な状態のとき、丸くなって寝るからだ。丸い形状を好むのは恐怖で固まっているからではなく、リラックスしているためだ」
「キャリー嫌い」を克服するためのカーニーのアドバイスに従うことで、多くの飼い主が愛猫を動物病院へ連れて行ったり、車で一緒に出掛けたりしやすくなったと喜んでいる。もう若くない猫でも、このアドバイスは有効だという。
カーニー自身も、成猫になってから引き取った3匹の飼い猫──カラミティ・ジェーン、ハイ・ホー・シルバー、ワイアット・アープ──に良好な結果が見られた。カーニーの娘も、子猫のパルメザンを家に迎えた初日からキャリートレーニングを始めたところ、キャリーが大好きになったという。
結局のところ、キャリーの中や周囲で猫がリラックスできるようにしてやることで、家族の一員である愛猫が獣医師のケアを必要なときに受けられ、大きな成果につながるのだ。
「私たち獣医師は、猫たちを診察し、可能な限り長く飼い主と一緒に過ごせるよう手助けしたいと思っている」とカーニーは語った。「ここで説明した方法は、間違いなく効果がある。そして、それは単なる手管ではなく、実際に猫の思考プロセスに基づいたものだ。そこが成功のカギといえる。私たちは猫のように考えなければならない。──猫の視点で世界を見なければならないのだ」


