キャリーへの抵抗感を払拭するには
カーニーによると、飼い主がやりがちな最大の過ちは、動物病院に行く時だけキャリーを出すことだ。これはネガティブな連想を誘発するだけでなく、キャリーをしまってある場所のにおいや温度によってマイナス感情が悪化しかねない。
むしろ、キャリーは常に開けた状態で家の中の安全な場所に置き、猫がいつでも好きに出入りできるようにしておくべきなのだ。キャリーの中には柔らかいマットを敷き、ときどき特別なおやつも入れてやる。キャリーの周りで猫と遊んでその存在に慣れさせ、フェリウェイなどの猫用フェロモンスプレーをキャリーや敷物に吹きかけるといい。ただし、くれぐれも猫に直接スプレーしないようカーニーは念を押した。
キャリーを洗濯機の近くに置かないことも重要だという。「洗濯機の周囲はしょっちゅうにおいが変わり、家の中でも忙しない場所だ。脱水モードや乾燥モードの時は急に音が大きくなる。猫は大きな音を嫌がる。そんなところにキャリーを置けば、猫にとっては戦場にたびたび放り込まれるようなものだ」とカーニー。
猫が自発的にキャリーに入るようになったら、やさしく褒めてポジティブな印象を高めてやる。それから「(猫が中に入ったら)そっと近づいてキャリーを閉め、少し様子を見てから開けるのを繰り返す。猫が外に出たがる前に開けてやるのがポジティブな関連付けを作るポイントだ」とカーニーは説明する。
猫がキャリーに自由に出入りし、扉を閉めても大丈夫になったら、猫の入ったキャリーを持ち上げて別の部屋へ移動し、そこで扉を開けて猫を褒める。最終的には、その状態で玄関を出入りしてみよう。
キャリーを運ぶ際は、取っ手を持って振り回さないように注意することだ。ぶら下げた状態で運ばれるのは、猫にとってストレスになる。カーニーは、胸に抱きかかえるか、腕で包み込むようにしてキャリーを運ぶと、猫は安心すると述べた。
キャリーに慣れたら、こんどは車に少しずつ慣れさせる。まずは、猫の入ったキャリーと一緒に車内にしばらく座り、一緒に家に戻るところからだ。次に、近所を一周する短いドライブを試してみよう。運転中は、猫に優しく話しかけたり、「猫のための音楽」などリラックスできる音楽を流したりするといい。出発前に車内に猫用フェロモンスプレーを吹きかけるのもいいだろう。カーニーによればスプレーの効果は通常4~6時間で切れる。
いよいよ動物病院へ連れていく当日が来ても、猫に予期不安を抱かせないよう、普段と変わらない振る舞いを心がけよう。猫がキャリーに入るのを待つか、おやつやおもちゃで誘い込み、そっと扉を閉めるのだ。


