5.プラットフォームの変革
最後の問いは、各社がインターフェースを守ることをやめ、エージェント層を中心にアーキテクチャを作り直し始めたかどうかである。
インテュイットは最も先を行っている。同社はAIインフラをGenOS、すなわち生成AIオペレーティングシステムとして再ブランド化した。会計、決済、顧客対応を、それぞれ専用のエージェントが担う。このプラットフォームは、既存機能の周囲にAIを巻きつけているのではない。エージェントを主要な実行層として扱うために、アーキテクチャそのものを作り直している。
対極にあるのは、おそらくゼンデスクだ。同社は2026年末までに、AIによる年間経常収益を5億ドル(約785億6000万円)にすると見込んでいる。これは力強い数字であり、ultimate.aiのようなAI企業を巧みに統合していることが一定程度寄与している。しかし、収益目標がどれほど見栄えのよいものであっても、構造的な競争に対する答えにはならない。
SaaSよ、永遠なれ
ただし、はっきりさせておきたい。これはまだ初期段階である。上記の評価は、発表、方向転換、戦略的な位置づけを反映したものであり、変革が完了したことを示すものではない。これらの企業の大半は、まだ実行の途中にある。データレイクは完全には接続されていない。MCPエンドポイントはベータ段階にある。ガバナンス層はストレステストの最中である。賭け金ははっきりしている。レースはすでに始まっている。
世界のSaaS支出は、なお3150億ドル(約49兆5000億円)に向かって増え続けている。市場は死んでいない。変わったのはインターフェースだ。SaaSは死んでいない。むしろ、より強力なものになりつつある。次世代のAIがそこを通じて機能を使うための層になっているのだ。


