ダークチョコレートは抗酸化物質を含み、心臓への健康効果が高く評価されている。他方で、多くの消費者が気づいていないのは、さまざまなチョコレート製品から測定可能な量の鉛やカドミウムが検出されている点だ。
だからといって、慌てたり、チョコレートを完全に断ったりする必要はない。むしろ、そのリスクを理解し、状況を踏まえて賢明な選択をすることが重要だ。
古代の薬からバレンタインデーの象徴へ
カカオは、古代の中米で苦味と香辛料の効いた飲み物として利用されたのが始まりで、マヤ文明やアステカ文明で儀式や薬用として飲まれていた。砂糖が登場するはるか以前から、カカオは文化的、象徴的な意味を持っていたのだ。
チョコレートとバレンタインデーの結び付きは、近代になってから生まれたものだ。19世紀半ば、英実業家のリチャード・キャドバリーがハート型のチョコレート箱を普及させ、贈り物を記念品へと変えた。この伝統が長く受け継がれてきたのは、ぜいたくでありながらも分かち合うことができ、過度にならずに親密な気分を味わえるものだったからだ。
チョコレートの健康効果
チョコレートの健康効果として最も信頼できるのは、減量やデトックス(解毒)効果ではなく、血管の機能に対する効果だ。
カカオにはフラバノール、特にエピカテキンなどのフラバン-3-オール化合物が豊富に含まれている。無作為化試験やメタ分析によると、カカオのフラバノールは血圧を適度に下げ、血管の拡張やストレスへの反応を示す指標である内皮機能を改善することが示されている。
米国で実施された大規模無作為化試験(COSMOS)では、カカオ抽出物サプリメントの摂取によって心血管系事象の総数は有意に減少しなかったものの、カカオ摂取群では心血管疾患による死亡率が低下した。これは、チョコレートが心臓病を予防することを意味するわけではないが、カカオフラバノールに生物学的活性があるという結論を裏付けている。
重要な点は、この恩恵をもたらすのはカカオ固形分であり、砂糖や牛乳ではないということだ。加工によってフラバノールの含有量が減少する可能性があり、多くのチョコレート製品では、砂糖や添加物でカカオが薄められている。
ダークチョコレートかミルクチョコレートか
フラバノールを摂取するのが目的なら、カカオ含有量の高さが重要になる。ダークチョコレートは一般的にカカオ分が多く、砂糖が少ないのに対し、ミルクチョコレートはカカオ分が少なく、砂糖が多く含まれている。
とはいえ、ダークチョコレートが必ずしも健康に良いとは限らない。100グラム当たり約600~635キロカロリーと、高カロリーだ。チョコレートを食べ過ぎると、体重増加や血糖値の悪化によって、血管への健康効果が相殺されてしまうこともある。加工方法も重要だ。包装に記載されている原材料が少ないほど、健康に良い商品である可能性が高くなる。



