ドル高との闘いが続く米飲料大手コカ・コーラは依然、その強いドルに太刀打ちできない状況が続いている。
売り上げの50%以上を海外市場に依存している同社の今四半期(7~9月期)の売上高は、前年同期比およそ5%減の114億3,000万ドル(約1.39兆円)となった。アナリストらは、当期の売上高を115億4,000万ドル(約1.4兆円)と予想していた。
当期の販売数量は増加していたため、ドル高の逆風がなければ、売上高は3%の増加となっていたはずだ。
長期にわたるドル高の悪影響についてコカ・コーラのムーター・ケントCEOは、「困難なマクロ経済環境が継続している」と指摘。同社は、仮に年末まで現在の為替状況が続けば、売上高は7ポイント、営業利益は11ポイント押し下げられることになると見込んでいる。
コカ・コーラにとってもう一つの痛手となっているのは、炭酸飲料の販売不振だ。「コカ・コーラゼロ」の売り上げは当期、8%増加したものの、「ダイエット・コーク」の売り上げが同率で減少、伸び率を相殺した。また、「コカ・コーラ」の売り上げは1%増にとどまった。スプライト、ファンタを含む同社の炭酸飲料全体の売上高は、2%の増加だった。
一方、同社が販売する非炭酸飲料の売上高は6%増加した。ボトル入り飲料水の売り上げとスポーツ飲料の売り上げがそれぞれ11%、5%増えたことが後押しした。
コカ・コーラの当期純利益は14億5,000万ドル(1,761億円)、1株当たり利益は33セント。前年同期の純利益は21億1,000万ドル(2,560億円)、1株当たり利益は48セントだった。特別損失を除いた1株当たりの利益は51セントで、アナリスト予想平均の50セントを上回った。