トランプ政権は、新たなマイクロリアクター(小型原子炉)の承認を迅速化するための規則策定プロセスを開始し、企業に原子力発電への投資を促す新たな1歩を踏み出した。
米国エネルギー省と原子力規制委員会、マイクロリアクター開発で相次ぎ施策を打ち出す
米国エネルギー省(DOE)と原子力規制委員会(NRC)は、ともにマイクロリアクターの開発促進に向けて重要な施策を講じている。マイクロリアクターとは、20メガワットの熱エネルギーを生成するよう設計されたコンパクトな原子炉である。
DOEは、民間投資家がマイクロリアクターを迅速に開発・試験・実証できる「前例のない」テストベッド(試験基盤)施設を立ち上げた。アイダホ国立研究所に設置されたこのテストベッドは「DOME(Demonstration of Microreactor Experiments:マイクロリアクター実験実証施設)」と呼ばれている。
米国時間4月8日にDOMEが事業利用可能になったことが発表された後、民間産業を引きつけるための政府によるもう1つの重要な施策が示された。
NRC新規則案では、6カ月から12カ月の許認可期間短縮を見込む
NRCのホー・K・ニエ委員長は4月24日、5月の連邦官報で「画期的な」規制枠組み案を公表すると発表した(編注:連邦官報には2026年5月1日付で公表された)。この枠組みは、規制の無駄を削減し、新型マイクロリアクターに対して柔軟でリスク情報に基づく許認可オプションを提供するものだ。
「マイクロリアクターおよび同等のリスクプロファイル(リスク特性)を持つその他の原子炉に関する許認可要件」と名付けられたこの新規則は、公衆衛生と安全保障の保護措置も維持するとされている。
「このマイクロリアクター向け規制枠組みは、先進原子炉の許認可プロセス近代化に向けた大きな1歩となる」とニエ委員長は述べた。提案される変更は「安全性、規模、スピードを兼ね備えたマイクロリアクターの展開を目指して設計されている」と付け加えた。
今後公表される規則とガイダンス案は、プロジェクトのコスト削減によりマイクロリアクター開発を促進すると期待されている。
「NRCと産業界は、主に適用除外申請の削減と審査の効率化により、37億6000万〜118億4000万ドル(割引率による。約5866億円~約1.85兆円。1ドル=156円換算)の節約を見込んでいる。NRCは、建設許可について6〜12カ月の許認可・展開期間の短縮が可能と予測している」と委員会は説明している。
新規則案により、マイクロリアクター開発者は以下のことが可能になる。
・同一仕様の原子炉群(フリート)の一括承認を申請すること
・独自の原子炉運用に対し、代替の設計基準やプログラムを認めること
・一部プロジェクトの環境審査を簡素化すること
・NRCの許可取得前に、一部の建設を開始できるようにすること



