リーダーシップ

2026.05.12 11:00

会議で「後回し」の議題が増えたら要注意 組織を機能不全に陥れる経営陣の盲点

stock.adobe.com

stock.adobe.com

そのチームは結成から18カ月が経っていた。見た目にはうまく機能していた。週次ミーティングに強固な人間関係、短期間で築き上げたものに対する純粋な誇り──。他の多くのチームよりもはるかに早く、見知らぬ者同士から機能的なチームへと成長し、真に結束していた。

advertisement

四半期レビューの日がやってきた。本来なら、チームにとって中核的なセッションとなるはずだった。ビジネスにおいて何が不足しているかを明らかにし、その対処法を決定する。だが、スケジュールのためにそれは実現しなかった。午前中は顧客の緊急対応に費やされ、午後は取締役会の準備で埋まった。チームメンバー2人が、遅れて到着した。ようやくセッションが始まったのは夕方だ。フロアはほぼ無人で、ビル内でまだ仕事をしているのはそのチームだけになっていた。その会議では、3つの重要な決定が下されることになっていた。組織全体で投資判断が滞り、本来数か月前に決まっているべきだった優先事項について、各部門が足並みを揃えられていなかった。プロジェクトのプレゼンを行うために招かれたマネジャーたちは、数週間かけて準備を進めてきた。

もし傍観者のようにその場を観察していたなら、チームには見えないものが見えていただろう。

チームに何が欠けているかを明らかにするためのセッションこそが、まさに見落とされ続けていたものだった。

advertisement

ある不都合な真実が浮かび上がった。誰かがそれを、断定ではなくためらいがちに質問として指摘した。議長はそれを「後回しリスト」に移した。場の空気は緩んだ。そのリストはすでに長かった。そしてリスト入りした事項が再び取り上げられることは、一度もなかった。和んだ空気が全てを物語っていた。

戦略上の優先課題が浮上した。それに伴うジレンマが指摘されたが、すぐに「個別の問題」として切り離されて別途扱うことになった。だがその問題は個別のものではなかった。3つの部門が関わり、まさにその場で解決されるべきものだった。その問題は会議で扱われることはなかった。会議外で解決されることもない。次の四半期レビューで再び議題に上ることになる。

マネジャーはプレゼンを行った。入念に準備を整えていた。会議の出席者は真剣に耳を傾け、まるで審問のような空気が漂っていた。鋭く、分析的で、探究心あふれる質問が飛び、質疑応答が続いた。しかし誰一人として「これを前進させるには何が必要か」とは問わなかった。セッションは終了し、マネジャーは退室した。プロジェクトはマネジャーが部屋に入った時と全く変わっていなかった。

議事録には「生産的な議論、優れたプレゼン、優先事項の合意、別途検討すべき個別の事項」と記録されるだろう。

だが傍観者が目にしたものは、全く異なるものだった。

次ページ > トップ層にみられる乖離

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事