リーダーシップ

2026.05.12 11:00

会議で「後回し」の議題が増えたら要注意 組織を機能不全に陥れる経営陣の盲点

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2つ目は場の端に留まることだ。正式なセッションで情報が密に交わされることは稀だ。会議室に到着した時や休憩時、会議が終了して引き上げるときなどにチームメンバーとしての振る舞いが少なくなり、真の関係性が露わになる。誰と一緒に会議室に来るか、休憩中に誰と接触しようとするか、特定の人物の出入りで場の雰囲気がどう変わるか。これらは些細な情報ではなく、その場において最も信頼できるデータであることが多い。

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3つ目は熱量を追うことだ。どこで議論が活発になり、どこで停滞するのか。あることについて何人が発言し、議論が実際にどれくらい続くか。誰が真剣に耳を傾け、誰が集中していないか。多くの意見がぶつかり合うとき、関与はあるが意見の一致はなく、どのような決定を下しても長続きしない。ほとんど議論がないまま進む場合、それは本当に解決されたのか、それとも単に発言したいことが何もないだけなのか、という疑問が生じる。リーダーが「重要」と位置づけたのに出席者の反応が鈍かったり、逆にルーチンと位置づけたのに場が活気づいたりした場合、その位置づけと反応の差は記録すべき重要なシグナルだ。

4つ目は沈黙を真剣に受け止めることだ。沈黙はデータの欠如ではない。自分の専門分野に関する話題について何も語らないことや普段より長い沈黙もデータだ。それは通常、答えが出なかったことを意味する。出るはずの質問が出ないこともデータだ。そして決定後の静けさの質も重要だ。従順な沈黙と真の合意はその場では同じに見えるが、その後の数週間で展開は全く異なってくる。

記録が明らかにするもの

ギャラップの統計はいずれも、自分たちの状況を見失ってしまったチームの実態を物語っている。リーダーの半数しか同僚が何に取り組んでいるのか把握できていないという状況は、本来発言すべきだったことや公言された優先事項と実際の取り組みとの乖離、理解の相違を示す不均衡な反応といったことを誰も表面化していないからだ。

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あの夜のセッションはそれを明らかにしていた。誰も熱量の記録をつけていなかったために後回しリストが増えた。そうした項目が常に特定の安堵感をもたらしていることに誰も気づかなかった。議題が移るたびに、誰の利害が一致し、誰の利害が対立しているかを追跡する者がいなかったため、どれを優先するかの検討がなくなった。会議室での探求的な姿勢と、マネジャーたちが進展を期待していたこととの間に生じた差を誰も記録しなかったため、状況は何も変わらないままマネジャーたちは場を後にした。

そうしたことは議事録には一切残らなかった。全ては会議室の中にあったのだ。

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翻訳=溝口慈子

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