トップ層にみられる乖離
世論調査会社ギャラップのデータでは、自分の同僚が何に取り組むべきかを理解していると強く考えるリーダーは、半数に過ぎないことが示されている。チームの一員だと実感しているリーダーも、わずかに半数を上回る程度だ。頼れる同僚がいると答えた人は、4割未満にとどまる。チームが改善のために振り返りの時間を取っていると答えた人も、4割未満だ。
これらを一つずつ見ると、どれもよくある職場の不満に見える。しかし総体的に見ると、より深刻な問題が浮かび上がる。
これはリーダーシップチームの話だ。
トップ層の半数しか隣に座る人の役割を理解していないのであれば、明確さが従業員に伝わるはずがない。優先順位を決めるごく少数の人たち以上に、現場の従業員が明確に優先順位を理解することはない。起点となるトップ層で半数なら、その数が全体の上限になる。
帰属意識も同じだ。自分が持っていない連帯感を他者に持ってもらうことはできない。従業員らは、誰も認めなくても上層部の雰囲気を敏感に察知している。そして彼らが読み取っているのはチームのパフォーマンスのうち、どれだけが実際にチームによるものなのかという点だ。
信頼できるパートナーの数が、戦略が静かに崩れるポイントだ。大規模な実行には、部門を超えた相互信頼が不可欠だ。たとえば製品責任者と運用責任者が、2カ月かけるのではなく10分の通話で問題を解決するには、信頼が欠かせない。上層部トップの10人の間にその信頼がなければ、組織内のあらゆる部門間の連携に摩擦が生じる。その場で解決するために必要なパートナーシップが存在しないため、ジレンマを抱える議論は会議外へと持ち出される。
会議室のチームは、特別ではなかった。一般的な基準からすれば機能不全に陥っているわけでもなかった。彼らは誇りを持ち、結束し、成果を出していた。欠けていたのは相性や能力ではなく、実際に起きていたことの記録だった。反応やエネルギー、沈黙の記録だ。それは議事録と並ぶものであり、全く異なるストーリーを語る。
構造観測の4つの習慣
私はこのような状況に何度も立ち会ってきた。アドバイザーとして、コンサルタントとして、そして多くの場合、ただ観察するために隅にいる人間として。その立場からだと部屋にいる他の人には見えないパターンが見えてくる。当事者らはその場にいることに忙しすぎるために見えないのだ。
以前書いた感情の設計図についての記事で、私は顧客やサービスの現場で見落とされがちな点をリーダーが把握するのに役立つ習慣について考察した。それをリーダーシップチームに当てはめると、そのうちの4つの習慣がチームには見えないものを浮き彫りにする。
1つ目は先入観なしに観察することだ。私たちはたいてい、誰が主導権を握り、誰が譲るか、どこで摩擦が起きるかを予測して会議室に入る。そうした予測はたいてい当たるが、それが問題なのだ。それによって最も重要な瞬間、つまり人が普段とは異なる行動をとる瞬間を見逃してしまうからだ。最高財務責任者(CFO)が通常なら厳しく追及するはずの数字に対して反論しない、普段は物静かな幹部が突然活発に発言する、議長がいつもより長く議論を続行させる──。役割から外れた行動は、役割通りの行動よりもはるかに多くのことを教えてくれる。すでに予想していたことを確認することに忙殺されていなければ、その逸脱に気づくことができる。


