マイクロソフト依存で急成長した炭素除去市場、大淘汰を生き残る企業の絶対条件

dvoevnore - stock.adobe.com

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新興産業には、最大顧客が一瞬ためらうだけで業界全体に走る、特有のパニックがある。数週間前、そのパニックが二酸化炭素除去(CDR)セクターを貨物列車のような勢いで直撃した。

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炭素除去クレジット購入の約80%を担うマイクロソフトが、調達を一時停止するというニュースが流れたのだ。LinkedInは騒然となり、創業者たちはグループチャットで互いに連絡を取り合った。スタートアップ創業者が常に背景ノイズとして抱える実存的な不安が、突如として前景に躍り出た。

その後、明確な説明がなされた。マイクロソフトの最高サステナビリティ責任者メラニー・ナカガワが声明を発表したのだ。穏やかながらも断固とした内容だった。同社は炭素除去を放棄するのではなく、単に「アプローチを洗練させている」にすぎない。調整があるとしても、それは「野心の変化ではなく、規律ある取り組みの一環」だと彼女は述べた。

だが、希望とベンチャーキャピタルによってかろうじてつながっている市場における曖昧さには、こういう問題がある。巨人が本当に「まばたき」するつもりだったかどうかは関係ない。まばたきは、すでに起きてしまったのだ。

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橋はいずれ燃える運命だった

ほぼ同じ頃、米エネルギー省は、以前に中止していた直接空気回収(DAC)ハブへの資金拠出をひっそりと復活させた。開発途中で頓挫していたプロジェクトにとっての命綱である。猶予であることは確かだ。しかし業界の多くの人々には、患者がすでに心停止した後に病院へ到着したように感じられた。

StripeやGoogleなどが支援し、炭素除去を加速させるための先進的市場コミットメント「Frontier」で展開責任者を務めるハンナ・ベビントンは、最近のLinkedIn投稿で率直にこう述べた。自主的なカーボン市場は、目的地であるはずがない。あれは橋にすぎない。企業の買い手の役割は、有望な技術を大規模に実証し、「バトンを渡す時が来たら、政府が納税者の資金を自信を持って投じられるようにすること」だと彼女は主張した。

政策面の進展はある。英国は2029年までに排出量取引制度(ETS)に炭素除去を統合する。EUも今年、同様のETS決定を下すと見られている。さらに世界初として、カナダ政府は炭素除去を政府が直接調達するための提案依頼書を発行した。

しかし、政策のタイムラインは年単位で測られる一方、スタートアップの資金繰りの猶予期間は月単位で測られる。年単位の時間軸は、地質学的にすら感じられる。そして世界各国の政府は、抽象的とは言い難い予算制約に直面している。戦争、インフレ、経済の不確実性を同時にやりくりしているのだ。バトンは確かに渡されつつある。ただし、極めて、極めて遅い。

現場で起きていること

この数日、私はCDR領域の創業者たちと話をしてきた。そこで聞こえてきたのは、業界が静かに「トリアージ(緊急度に応じた選別)」を始めているという実態だった。

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