ソーシャルメディアやブログ上の情報を分析するアドビ・デジタル・インッデクス(ADI)は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界がどの程度実現したかを調査した。「今回の調査は映画とテクノロジーに関連した約1億件のソーシャルメディア上の発言をもとに実施しました」とADIのアナリストJoe Martinは話す。エメット・ブラウン博士(通称ドク)とマーティがタイムマシンで冒険した世界が予言した、5つのテクノロジーを下記にご紹介する。
1.ウェアラブル端末
マーティとドクがタイムマシン2015年に降り立ったとき、ドクは腕時計をチラッと確認し、マーティは雨が降っていると外を指さした。そこでドクは「あと5秒」と言う。すると雨は降り止んだ。脚本を担当したボブ・ゲイルはApple Watchのようなウェアラブル端末が発明されることを予測していたかに見える。当時アップルはMacBookの原型を発表したばかりだった。
2.ビデオ会議
映画の中でマーティはビデオ会議の仕組みを用い、フラットスクリーンのスマートテレビ上で会話をした。ゲイルとゼメリックは、2011年に85億ドル(約1兆260億円)で買収されたSkypeの起源となるものをここで思いついていたのかもしれない。
3.モバイル決済
マーティがタウンスクエアを横切ろうとしたとき、タブレットのようなものを手にした男が近寄って来て、寄付をしてくれないかと尋ねる場面がある。この「タブレットからの支払い」という発想は、モバイル時代の到来を予言したかのようだ。これもSquareやPayPal、Venmoのようなオンライン決済が誕生するはるか前の話だった。
4.バーチャルリアリティ
マーティが姉とバーチャルリアリティ(VR)グラスを装着していたシーンを覚えているだろうか。2人はそれを使って、テレビを観ながら電話に出ていた。そこまで一般向けで多機能なVRの出現にはまだ時間がかかるかもしれないが、Oculus Riftの一般モデルが間もなく発売されることを考えると、映画で描かれた世界は想像より早く到来するかもしれない。
5.ドローン
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』にはドローンのようなテクノロジーが登場し、USA Todayなどのメディアが利用していた。現代のマスコミ各社はドローンの使用を試験的に行っているが、まだ報道で積極的に利用されるには至っていない。
上記の通り、この映画は我々が生きる2015年の世界をかなり正確に予言したと言える。しかし、製作者らが想像できなかったデバイスの一つがスマートフォンだ。
「スマートフォンは、現代版のアーミーナイフだ。ひとつのデバイスがコンピューターにも、カメラにも、懐中電灯にもなる。そんなデバイスをみんなが持つなんて考えもしなかったよ」と脚本家のボブ・ゲイルは『ハリウッド・リポーター』のインタビューで語っている。