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2026.05.08 16:00

「恋人との対立回避」は破局を引き起こす原因に、正しいぶつかり方は?

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多くの人は、何かネガティブな要素が恋愛関係の破綻を招くと考えがちだ。5人にその原因を尋ねれば、不倫や憤り、不誠実さなどとそれぞれが異なることを挙げるだろう。だが多くの場合、真の問題は悪い習慣があることではなく良い習慣が欠けていることだ。

たとえば、コミュニケーションが崩壊したり努力不足によってカップルが徐々に離れていくときに関係は悪化する傾向にある。これらはいずれも何かが欠けていることによって引き起こされる。だが、恋愛関係の破綻を引き起こす最大の要因の1つはかなり気づきにくいものだ。それは「対立の欠如」であり、主に多くのカップルが対立の欠如を良い兆候だと誤って解釈してしまうために気づきにくい。

対立を受け入れることが良い習慣である理由

対立に関する一般的なイメージは、対人関係に関する自己啓発の分野において大きな害を生んできた。映画や小説、テレビ番組で対立が描かれる場合(そもそもそのこと自体が稀だが)、たいていは激しい言い争いや涙ながらの一方的な独白としてドラマチックに仕立てられている。

だが現実では、極端な状況を除けばそのような形になることはほとんどない。多くの場合、対立とは単に意見が合わない2人の間の単純な食い違いに過ぎない。それでも、常に揺るぎない調和が理想とされるため、多くのカップルは意見の相違そのものを恐れるようになる。私たちが思い描かされているような劇的な破綻に比べると、そもそも対立しない方が楽だと思ってしまう。

その結果、カップルはどんな犠牲を払ってでも対立を避けようとする。典型的なものは次のような形だ。

・特定の話題を完全に避ける
・相手を不快にさせそうな感情や意見を抑え込む
・面倒な人だと思われないよう、一方が「折れる」
・正直に話すと厄介な事態になりそうなとき、事実を歪めたり嘘をついたりする

問題は、対立を先延ばしにすることはできても、完全に避けることは現実的でもなければ可能でもないという点だ。そして皮肉なことに、専門誌『Current Opinion in Psychology』に2017年に掲載された研究が示すように、対立の回避は定期的に向き合うより大きなダメージを生むことが多い。

研究者たちは、対立時の真っ向からの意見のぶつけ合いは、重要な問題に対処する必要がある場合においては特に有益だと説明している。ただし鍵となるのは、対立の後に起こることだ。カップルは意図的に変化を起こさなければならない。変化がなければ対立は意味を持たないが、変化を起こせば対立は改善へのきっかけとなる。

より具体的には、対立が生じた際の話し合いにおいて、意見の相違や建設的な批判、さらには怒りさえも表すことが、その後の関係満足度の相対的な向上につながることが研究で明らかになった。最も重要なのは、カップルがその場の状況に応じてコミュニケーションの仕方を調整することだ。著者らの言葉を借りれば、これこそが対立を「より健全で幸せな関係を築くための促進剤」へと変えるものとなる。

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翻訳=溝口慈子

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