対立回避が悪い習慣である理由
対立をうまく乗り越えることの利点を示す研究だけでは十分でない場合、対立を回避することの危険性を示す研究を見れば納得するはずだ。
専門誌『Personality and Social Psychology Bulletin』に2012年に掲載された研究では、恋人のために犠牲を払う際に感情を抑え込むと何が起こるのかを調べた。恋人のために感情を抑えるというのは一見すると理にかなっているように思える。自分の本当の気持ちを隠せば親密さを保ち、平穏を維持できるはずーー。だが十中八九、これは裏目に出る。
具体的には、日常的な犠牲の中で感情を抑圧することはカップルの双方に代償を伴うことが明らかになった。それは感情面のウェルビーイングの低下や関係の質の悪化、そして最も皮肉なことにやがて対立が増えることと関連していた。さらには、別れる意思を強めることにもつながっていた。
繰り返しになるが、これは回避は対立を先送りにするだけで、対立を消し去ることはできないためだ。そして対立が必然的に表面化したとき(間違いなくそうなる)、激しいものになることが多い。このような対立の激化は最も有害なコミュニケーションパターンを引き起こし、結果として親密さを損なうことになりがちだ。
その主な理由は「真正性」にある。研究者たちが指摘するように、感情を抑え込むと、人は当然のことながら関係において不自然さを感じるようになる。何かを隠している、あるいは本来の自分を完全に出せていないという感覚だ。この疎外感が関係の基盤である感情的な親密さを損なってしまう。
どの心理学者に聞いても、対立の解決においては回避するより向き合う方がはるかに効果的という答えが返ってくるだろう。回避は問題解決の可能性を弱めると同時に問題を悪化させる。気が重くても率直に向き合うことこそが、真の理解と持続的な変化に必要な環境を整えるための唯一の手段なのだ。


