Anthropicは依然としてサプライチェーンリスク対象
Anthropicと米国防総省当局者は2月、契約をめぐる係争に陥った。この過程でAnthropicは、米国防総省からAIモデルへの無制限のアクセスを求められたものの、それを拒否したと述べている。同社は声明で、米国防総省が同社から離れるなら「別の提供者への円滑な移行を実現するために取り組む」とした上で、米国防総省が同社の技術を大量監視および完全自律兵器のために使用するよう求めたとされる点を問題視した。
この係争を受け、ピート・ヘグセス国防長官は、Anthropicを国家安全保障上のサプライチェーンリスクに指定すると述べた。これは、ドナルド・トランプ大統領が全連邦機関に対して同社の技術使用を停止するよう命じたことを受けたものだ。
Anthropicは3月、この禁止措置をめぐってトランプ政権を提訴し、政府が「違法な報復キャンペーン」を行っていると非難した。連邦控訴裁判所は4月前半、米国防総省の措置を一時的に差し止めるよう求めたAnthropicの申立てを退けた。
米国防総省の技術責任者エミル・マイケルは5月1日、CNBCに対し、Anthropicは現在もブラックリストに載っていると語った。
Claude Mythosは「別次元の国家安全保障上の課題」
Anthropicとトランプ政権の対立にもかかわらず、Anthropic共同創業者のジャック・クラークは4月初め、同社が新たなAIモデル「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」について連邦政府と協議していると述べた。Anthropicは、Mythosが「主要なOSとウェブブラウザー」におけるセキュリティ上の欠陥を悪用できると主張しており、一般公開するには危険すぎると警告している。米国防総省のマイケルはMythosについて、政府全体で「対処されている問題」だと述べ、このモデルを「別次元の国家安全保障上の課題」だと表現した。
ヘグセス、「AIファーストの戦闘部隊」への変革を公言
ヘグセスは、人工知能を米軍に取り入れて「AIファーストの戦闘部隊」へと変革すると公言しており、これが複数の有力AI企業との契約につながっている。OpenAIは、Anthropicが国家安全保障上の脅威と位置づけられた直後、米国防総省と契約を結んだ。ただしその合意は後に、世論の反発を受けて、OpenAIのツールが米国市民および米国籍保有者に対する国内監視に使われないよう修正された。
グーグルとも4月末に合意
グーグルとの合意は4月末頃に成立し、同社のGemini AIシステムを機密ネットワーク上で利用できるようにしたという。この合意はグーグル社員から猛反発を招いたと報じられている。同社スンダー・ピチャイCEOに宛てた書簡で、約600人が今後の米国防総省とのAI提携を拒否するよう求めた。


