経営・戦略

2026.05.01 16:32

売上10倍超でも企業文化は守れる:1000万ドルから1億3000万ドルへの道

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Harper Ellis Hair Co.およびStrata Salon SystemsのCEO兼創業者、Terra Harvell氏による寄稿

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会社をスケールさせても、企業文化は壊れない。壊すのは、構造の欠如だ。

Harper Ellis Hair Co.では、サロンのエコシステムと製品ポートフォリオを拡大しながら、売上1億3000万ドルという目標に向けて事業を構築している。しかし成長によって、私たちは早い段階から重要な問いに向き合わざるを得なかった。そもそも会社を機能させてきた企業文化を失わずに、どうスケールするのか。

多くの企業では、野心的な成長が文化の浸食につながる。創業期に成功をもたらした要素は、チームが2倍、3倍に増えるにつれて薄れていく。新しい人材が加わり、優先事項が変わり、コミュニケーションが混乱し始める。

会社は私から始まった。しかし、売上1000万ドルを超えて成長するためには、私一人が文化を担うわけにはいかないと早い段階で気づいた。1億3000万ドルの目標に向けてスケールするいま、その文化を守ることは「仕組み」になっている。そしてその仕組みは、リーダーシップから始まる。

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リーダー層は早期に重ねていく

創業者が犯しがちな過ちの一つは、自分が永遠に文化を一人で支えられると信じてしまうことだ。会社が小さいうちはそれでも機能するかもしれないが、成長によってその方程式はすぐに変わる。

売上200万ドルから1000万ドルへの成長は、私に重要な教訓を与えた。会社全体をつなぎ留める「糊」の役割を私一人で担うことはできない。すべての対立を調整したり、すべての意思決定を行ったりすることは不可能なのだ。

私たちの組織では、「リーダー層」と呼ぶものを構築することに注力している。会社全体にリーダーを配置し、各部門やチームを導く。そして重要なのは、彼らが自分自身を導く術も学ぶことだ。

この哲学は、私のメンターであるBrandon Dawson氏が「Me-to-Weリーダーシップ」と呼ぶ考え方に由来し、リーダーシップの専門家John Maxwell氏の原則を土台にしている。

人は他者を導く前に、まず自分自身を導くことを学ばなければならない。

社内では、「示し、まねし、身につける」という考え方を共有している。リーダーがまず行動で示す。チームメンバーはその行動をまねる。時間をかけてその基準を身につけ、文化に根付かせていく。リーダーが基準を示さなければ、基準は存在しないのと同じだ。

多くの企業は、成長の問題は営業やマーケティングにあると考える。しかし私の経験では、破綻はリーダーシップと感情的知性において起こることが多い。チームはリーダーが示すものに従うのだ。

コストがかかっても文化を守る

最近、トップセールスの一人を解雇しなければならなかった。売上の観点からは厳しい決断だった。その人物は会社にかなりの収益をもたらしていたからだ。しかし文化の観点からは、答えは明白だった。期待値は明確に伝えていたにもかかわらず、その営業担当者の行動は私たちのコアバリューと一致していなかった。

高い業績を上げる人材が基準から外れた行動をとると、他の全員がそれに気づく。人々は、その価値観が本当に重要なのかと疑問を持ち始める。こうした局面こそがリーダーシップを試す。あなたの周囲にいる全員が、あなたが何をし、何をしないかを見ている。

私が自社の文化と企業価値を守れないのであれば、なぜ他の誰かがそうする必要があるだろうか。

私は文化を守ることを選んだ。確かに短期的な売上は打撃を受けたが、組織内の長期的な信頼はより強固になった。従業員がその基準が一貫して適用されるのを目にすることで、文化は保たれ、強化されていく。

データで燃え尽きを防ぐ

急速な成長は、もう一つの課題をもたらす。従業員の燃え尽き症候群だ。

企業が規模を拡大するにつれ、従業員は自分の役割や優先事項について明確さを失うことがある。業務上の優先事項を明確に伝え、特に急成長のプレッシャーの下では、従業員の業務負荷に細心の注意を払うことが不可欠だ。

私たちの会社では、すべての役割をプロジェクト管理ソフトウェアで可視化している。各ポジションに紐づくプロジェクトを追跡し、従業員は何に取り組むべきか迷うことなく、明確な優先事項を持って1日を始められる。

リーダーシップもリアルタイムでチームのキャパシティを把握できる。誰かが過負荷状態にあれば、採用の時期だとわかる。部門全体が限界に達していれば、どこを拡大すべきかがわかる。

また、入社後90日以内に、個人的、職業的、経済的な目標について従業員に尋ねている。リーダーシップの役割を望む人もいれば、経営幹部のポジションを目指す人もいる。安定とワークライフバランスを求める人もいる。

そうした志向を理解することで、機会と責任を適切にマッチングさせることができる。前進する道筋が見えれば、人はより自信を持って動き、燃え尽き症候群も大幅に減少する。

役割を売上に結びつける

責任ある規模拡大には、採用における規律が必要だ。

私たちの会社は現在、投資フェーズにあり、成長を加速できる高度なスキルを持つ人材を採用している。そうした人材は決して安くはない。しかし、すべての役割が何らかの形で売上に結びついていることが不可欠だ。

年収15万ドルの人材がいれば、私たちは率直な問いを投げかける。この役割は、会社がそれ以上の価値を生み出すうえでどう貢献するのか。

私たちの組織の従業員は、より高い収入にはより高い売上への貢献が求められることを理解している。この整合性により、人件費が収益性を追い越すことを防いでいる。

あまりにも多くの企業が、成長を見越して先行採用し、うまくいくことを期待している。私たちは、各役割がより大きな目標にどう貢献するかを正確に理解することを重視している。

ミッションを失わずに規模を拡大する

野心的な成長は、どの組織にもプレッシャーをもたらす。その解決策は、あなたとともに文化を守る他のリーダーを育成し、権限を与えることだ。目標が明確で、人々が成長に対して当事者意識を持てるとき、そもそも人々がそれを信じた理由を失うことなく、売上1000万ドルから1億3000万ドルへと成長することができる。

forbes.com 原文

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