こうしたストレスはすべて、テクノストレス(テクノロジーに起因する心理的負荷)に集約される。テクノストレスには、情報やタスクに圧倒され追いつけないと感じる「過負荷」の感覚、テクノロジーの効果的な使い方を習得するために多大な時間を費やさなければならない「複雑性」の問題が含まれる。さらに、将来への不安、先行きの不透明感、テクノロジーが生活のあらゆる側面に侵入してくるという感覚も含まれる。
テクノストレスは深刻な結果をもたらす。学術誌Information Systems Researchに掲載された研究によれば、組織へのコミットメント、職務満足度、定着率の低下につながる。また、学術誌Behavioral Scienceの研究では、テクノストレスとネガティブな感情や生活の質の低下との相関が示されている。さらに、Frontiers in Psychologyの研究では、テクノストレスがうつ病や不安症の増加につながることが報告されている。
AI導入を成功させるには、従業員の役割とプロセスにおける重要性を明確にすることである。優れた仕事を認め、その価値を繰り返し伝える。また、AIが今後どのように組織に組み込まれ、成功のために何が求められるのか、将来の見通しを明確に示すことも重要である。人は理解できないものを信頼しない。だからこそ、明確なコミュニケーションが適応を促し、新しいツールの効果的な活用につながるのである。
自信ある未来へ
課題はあるものの、AIの能力に対する全体的な信頼度は過去1年間で22%上昇した(beautiful.aiのデータによる)。またWriterによれば、95%が「AIによって役割やチーム構成はすでに変わり始めている」と回答している。AIが定着するのは間違いない。
しかし、成功のためには人間がプロセスに関与し続けなければならない。Atlassianの最高人事・AI推進責任者であるアヴァニ・プラバーカーはこう語る。「多くの企業がAI変革のテクノロジー面に膨大なエネルギーを注いでいますが、人の側面には十分な投資をしていません。真の価値を引き出すには、AIを単なるテクノロジーの転換として扱うわけにはいかないのです」
今後問われるのは、AIを導入するかどうかでも、AI活用への取り組みを続けるかどうかでもない。いかに迅速に、いかに的確に、そしていかに人間を大切にしながら、AIを実務と人々の間に組み込んでいけるか──そこに成功の鍵がある。


