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教育

2026.05.07 13:30

若者のやんちゃ不足:川村雄介の飛耳長目

月刊『文藝春秋』の「同級生交歓」を見ながらわが高校時代を思い起こしていると、日本経済新聞の後藤健夫さんのコラムが目に入った。なんと母校の近況がポジティブに書かれている。「神奈川県立湘南高校は(多様性に富む)校風の中で、高校生活を充実させて校内外での活動を楽しんでいる。自分のポテンシャルを信じて浪人を選択する生徒が少なくない」。そうした子どもを信頼して鷹揚に見守る保護者が多かったともいう。さすがに昔の滅茶苦茶な蛮行は影を潜めたが、母校の自由な校風は受け継がれているな、とうれしくなったものである。

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無秩序で野蛮とも見える明治や昭和の学生たちに比べると、昨今の若者はお行儀良く真面目で良い人たちが増えたような気がする。社会全体で反ハラスメントが徹底され、子供のころから紳士淑女然と振る舞う。心のなかで既成の権威や権力に反感をもっていても、滅多にそれを表さない。吐け口はSNSが中心で、多くの若者の不満のマグマは心の奥底に沈殿する。

日本経済の長い停滞の原因のひとつに、決断の遅さとリスク回避の企業マインドがある。過剰ポリコレ、過剰ガバナンスがこれをさらに促進させ、息苦しい社会をつくっているようにも感じる。見た目はきれいで上品になったが、総じて冒険心と健全なバーバリズムを許容しない観がある。

経済は人がつくる。人が前向きになれば企業も経済も活性化される。元気な人間の原点は若年時代に形成される。昨今の若者は素晴らしいが、ひとつ欠けているとしたらやんちゃぶりだ。昭和レトロがブームになっているのだから、若者のマインドにもう少し昭和的無鉄砲さがあって良い。それがこれからの日本を活性化する原動力になるのではないか。

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もちろん、いつまでも無鉄砲では困る。平時はよく躾けられたペットのようでも、いざ勝負となったら猛獣に変身する大人に成長してもらいたいものである。


川村雄介◎一般社団法人 グローカル政策研究所 代表理事、公益財団法人 日本証券経済研究所 研究顧問。1953年、神奈川県生まれ。1977年東京大学法学部卒、大和證券入社。1981年ワシントン大学法律学修士取得。長崎大学経済学部教授、大和総研副理事長を経て、
現職。

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川村雄介の飛耳長目

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