アジア

2026.05.01 08:00

中国、禁止しているChatGPTをスパイ活動に悪用 国際ジャーナリスト団体への攻撃にも使用か

salarko - stock.adobe.com

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米OpenAIは自社の対話型AI(人工知能)「ChatGPT」について中国での利用を認めていない。中国政府もまた国内でのChatGPTの利用を認めていない。にもかかわらず、中国当局はChatGPTを邪悪な目的のために常習的に使い続けている。過去1年の間にOpenAIは、中国の法執行機関や監視部門が国外の反体制派などのターゲットに関する情報収集や、国内の少数民族を監視する技術の考案に同社のツールを用いたことを明らかにしている。

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が4月27日に公表したところによると、中国のスパイは、中国を取材する外国人記者の情報を盗み見る試みでもChatGPTを利用しているようだ。

2025年5月、台湾人ジャーナリストを装った者がChatGPTを使って報道を調査したうえで、あるページのリンクを、関係づくりのためにやり取りしていたターゲットに送っていた。この偽ジャーナリストは、ICIJと、カナダ・トロント大学の調査機関「シチズン・ラボ」の研究チームによって中国政府系ハッカー集団と関連づけられている。これらのハッカーは、中国国家の敵とみなす相手を監視するため広範な組織的活動を行っている。

シチズン・ラボの研究チームによると、「グリッター・カープ(Glitter Carp)」と「シークイン・カープ(Sequin Carp)」名づけられた2つの中国関連のハッカー集団は、ICIJと関係のあるジャーナリストをターゲットにしたフィッシングメールの作成などにもAIを利用していたとみられている。

中国が米国製AIツールを利用していることを示す報告は増え続けている。OpenAIのほか米アンソロピックも中国在住者の利用を禁止しているが、アンソロピックは2025年、中国に関係するハッカーが同社のAIモデル「Claude」を使い、米国のテクノロジー企業や政府機関を含む最大30の組織をターゲットにしていたと明らかにしている。

アンソロピックは、中国政府側とデータが共有されることへの懸念を公に表明している。OpenAIは、中国からのアクセスを認めていない理由を明確に説明していない。同社にコメントを求めたが、本記事の公開時点までに回答はなかった。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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