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2026.05.01 10:30

多くをこなす=有能の証ではない、デキる人が「意図的にやることを減らす」ために取っている3つの方法

Rishi - stock.adobe.com

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自己啓発の分野では、効果や生産性は量に比例するという根強い通説がある。私たちはつい、最も成功している人とはより多くのことを速く、そして可能な限り集中してこなしている人だと考えてしまう。だが条件が整っていれば「やることを減らす」方がはるかに効果的だ。

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日々高い成果を出すためには時間を最大限活用する必要がある。そして時間を管理するためには、認知的な余力を管理することが前提となる。選択肢を絞り込み、インプットを制限し、可能であれば行動を事前に決めておく必要がある。そうすることで、本当に重要なことのために貴重な精神的エネルギーを温存できる。

このような生産性のスタイルは一見控えめで、やや怠惰にさえ見えるかもしれないが、非常に大きな成果をもたらす。この記事では、有能な人が意図的にやることを減らすために取っている実証に基づく3つの方法を紹介し、なぜ「やることが少ないほどよい」という考え方が機能するのかを解説する。

1. 良い判断をするために選択肢を絞る

ほとんどの人は、選択肢が多いほど自由度が高いと考える。理論的には確かにそうだ。選択肢が広がれば、「最良」のものを見つける可能性が高まるはずだ。しかし実際には、選択肢が多すぎると人の心は、その重みでうまく機能しなくなる傾向がある。

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専門誌『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された著名な研究はこのジレンマを如実に示している。実験では、買い物客に6種類のジャムを提示する場合と、24種類を提示する場合が比較された。選択肢が多い方が多くの注意を引いたが、最終的な購入数は少なかった。また、24種類の中から選んだ人は、6種類から選んだ人よりも満足度が低かった。

この現象は、心理学で「選択過多」と呼ばれる。現代の生活が生み出している多くの逆説の1つであり、選択肢の多さが行動を鈍らせ、満足感を損なう。要するに、選択肢が多すぎると人は自分の選択を疑ったり、選ばなかった選択肢を想像したりする可能性が高まる。場合によっては、決断そのものを先延ばしにすることもある。

有能な人は、意図的に選択肢を絞ってこの問題に対処する。多くの選択肢の中から最良のものを探すのではなく、「十分」なところで妥協する。つまり、自分の基準を満たすものを選択し、すぐに次へ進む

これは普通の人の目には「妥協している」ように映るかもしれないが、心理学的には「比較に伴う負担を減らしている」と言える。選択肢が1つ増えるたびに、「もし〜だったら」という思考の分岐が生まれ、本来は他のことに費やすべき注意力を奪ってしまう。

選択肢を絞るというのは文字通りの行動で、次のようなものがある。

・平日の夕食は、新しいレシピを延々探し回るのではなく、いくつかの定番メニューをローテーション化する

・購入を決める前に、アイテムについて譲れない明確な基準を設定しておく

・同時に集中するプロジェクトや優先事項の数を、制限する

選択肢が少ないほど障壁は低くなる。そして障壁が低くなれば、行動を起こしやすくなる。

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翻訳=溝口慈子

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