3. 実行意図で行動を事前に決める
何が正しい選択なのか分かっていても、それを一貫して実行するのは難しい。「生活」という現実が私たちの意図の妨げとなることが往々にしてあり、相いれない要求や一時的な注意散漫で計画は簡単に狂ってしまう。しかし多くの場合、これは防ぐことができる。少なくとも認知のレベルにおいてはそうだ。
この問題を解決する最も信頼できる方法が、「実行意図」だ。これについては専門誌『European Review of Social Psychology』に2024年に掲載されたメタ分析で、広く検証されている。
簡単に言うと、実行意図とは特定の状況の合図と目標に向けた行動を結びつける、具体的な事前計画のことだ。「もし◯◯なら、◯◯する」というものであることが多い。つまり、特定の状況となったとき、その後に特定の行動をとるというもので、例えば次のようなものがある。
・朝7時になったら執筆を始める
・昼食を終えたら10分間散歩する
研究者らは642の実験を分析し、この種の計画が幅広い行動や対象集団において、確実に成果を向上させることを確認した。特に効果が高かったのは、「もし◯◯なら、◯◯する」の条件が明確である場合、目標達成に向けて真に意欲的な場合、計画を繰り返し頭の中で繰り返す場合だった。つまり、いつ・どのように行動するかを事前に決めておくことが、意図と行動の乖離を大幅に埋める。
繰り返しになるが、この方法は「やることを少なくする」という大きなテーマに沿っているという点で直感に反するものだ。実行意図は、繰り返し判断する必要性を減らす。1日に何度も「今、これをすべきだろうか」と自問する必要はなく、その瞬間が訪れると、決定は自然と下される。
有能な人は、この仕組みを活用して多くの判断を事前に済ませている。その結果、日々の最も重要な習慣のいくつかを無意識に実行できる。具体的な例としては次のようなものがある。
・毎日決まった時間に作業を開始する(例:午前9時になったらデスクで◯◯の作業をする)
・タスク開始・終了の明確なトリガーを設定する(例:目が覚めたらコップ1杯の水を飲む)
・繰り返し行う判断に、シンプルなルールを定める(例:5分以内で済むタスクならすぐに実行に移す)
こうした事前の決定は、相反する衝動によって気持ちが揺らぐのを防ぐ。次に何をするかがすでに決まっていれば、迷ったり葛藤が生じたりすることが大幅に減るからだ。


