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2026.05.14 13:15

楽天メディカル代表に聞いた「がん光免疫療法1億ドル追加調達」「ウクライナで治験」のワケ

楽天メディカル日本法人社長 小玉裕之氏(左)と米国法人プレジデント 前田陽氏

楽天メディカル日本法人社長 小玉裕之氏(左)と米国法人プレジデント 前田陽氏

日本が世界に先駆けて承認した新しいがんの治療法に、いま、世界が注目している。

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2026年1月、光でがんを狙い撃つ「光免疫療法」の実用化を手がける楽天メディカルは、シリーズFラウンドで1億ドル(約150億円)という巨額の追加資金を確保した。

楽天メディカル米国法人プレジデントの前田陽氏と楽天メディカル日本法人社長の小玉裕之氏とに、光免疫療法の現在地と未来図を聞いた。

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頭頸部がんから、その先へ─光免疫療法の現在地

光免疫療法は、「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」を対象に、世界で初めて日本で保険適用が認められた新しいがん治療法だ。周囲の正常細胞には影響がほとんどないため、副作用が少ないのが大きな特徴だ。

厚生労働省から承認されて、初めて治療が行われたのが2021年1月。それから5年、現在は治療できる拠点は日本国内で200カ所を超え、治療件数も着実に伸びている。

頭頸部には、「見る」「聞く」「食べる」など、日常生活に欠かせない機能が多く集中している。頭頸部がんの患者からは、「舌を残したい」「声を残したい」といった声が少なくない。
そのため、機能温存の余地が大きい光免疫療法に対して、「自分のがんにも使えないか」という問い合わせや期待の声も、国内外から少しずつ増えてきているという。

楽天メディカル日本法人社長の小玉裕之氏は、この5年間をこう振り返る。

「開発者である小林先生をはじめとする研究者の方々のご努力と、臨床現場からの創意工夫のフィードバックによって、この治療技術は大きく育ってきた実感があります」

楽天メディカル日本法人社長 小玉裕之氏
楽天メディカル日本法人社長 小玉裕之氏

当初の課題のひとつは、「光が届きづらい場所」があることだった。

頭頸部がんにおいては、口腔がんや舌がんのように比較的アクセスしやすい部位もあれば、咽頭や喉頭の深部は光がしっかりと到達しにくい。

光免疫療法は、まず「抗体と光感受性物質の複合体」を点滴投与し、その後ファイバーで近赤外光を照射する2ステップの治療だ。もともと懐中電灯のようにファイバーの先端から前方に広く照射するタイプと、腫瘍にカテーテルを刺して円筒状の光を照射するタイプのファイバーはあったが、頭頸部において、すべての部位に確実に光を届けるにはまだ十分とは言えなかった。

「頭頸部がんが全体の対象なのに、その中でも4割近くを占める下咽頭・喉頭には光が届きにくかった。承認をいただきながらも、治療しづらいエリアが残っていたんです」

そこで同社は耳鼻科・頭頸部外科の医師たちと組み、横向きに光を出すファイバー(BioBlade®サイドファイヤーディフューザー)など、新たなデバイスの開発を続けた。その結果、2024年末頃から頭頸部のほぼすべての部位に光を届けられるようになったという。

(作図:芹澤健介)
(作図:芹澤健介)

「実際、ここ1〜2年で治療件数は大きく伸びました」

光免疫療法は複雑な治療法ではないが、既存の治療法のどれとも違う。薬と照射デバイスがセットになったまったく新しい治療法であり、習熟にはどうしても時間がかかる。その学習曲線を、医師たちとともにこの5〜6年で一気に駆け上がってきた格好だ。

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取材・文=芹澤健介 写真=曽川拓哉

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