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2026.05.12 14:15

アマゾン欧州社員が語るヨーロッパの魅力、「人生を楽しむため」の海外就職

左上:青山怜史氏、右上:金夛陽彦氏、下:竹崎孝ニ(筆者)

ヨーロッパ特有のコミュニケーション文化

竹崎:1対1はいけるけど、人数が増えるにつれて、ライブのコミュニケーションは難易度が上がりますよね。

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青山:ミーティングの流れが早いですよね。日本時代もグローバルのミーティングはありましたけど、こちらにきて、USやEUのメンバーのみ参加している場合は会話のテンポが比べ物にならないと感じます。

竹崎: 加えて、文化的にも差があります。アメリカでもあったんですけど、インド系の方も多いし、ヨーロッパの人はそれ以上にどんどん話を被せて、脱線していく。ちゃんと主張することが大事なので、リアルな議論をキャッチアップする要求水準は文化的な背景からもヨーロッパでは高いと思います。

金夛: 常に議論に積極的に参加することを求められている感じがします。そこまで重要でないかなと思うことでも、とにかく発言して存在感を示すという気概を感じます。

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青山: 米国の方が、ファシリテーションの意識が高いと感じます。ヨーロッパだと自分たちいいたいこと、個人の意見の主張やアピールに重きを置いている人が多くて、脱線もすごく多いです。米国は、論点設定が上手な人や物事を進めるための的確な質問ができる人が多い印象です。

竹崎: 私もそれはすごい意外でしたね。アメリカの方が議論がずれない。ヨーロッパは、日本に近い感じの人間関係とか目配りとかやってそうなイメージだったんですけど、来てみたら全然違いました。

会議の冒頭で発言する

竹崎: いつも工夫してるところで言うと、会議の冒頭で話すように意図的にしてます。

みんなが喋りまくって脱線していくと、序盤・中盤・終盤で入り込む難易度がどんどん上がります。一番最初のみんなが様子を見ていたり偉い人の発言を待っているところで、気にせず一番最初に手を挙げて。論点整理や、問題提起、など冒頭に発言できるところで流れを作っちゃう方が圧倒的に存在感を出しやすい。

金夛: そのやり方はとてもいいですね。参考にさせてもらいます。

青山: Zoomの挙手やチャットを活用して、視覚的に存在をアピールするのも良く活用しています。

竹崎: なんなら物理的に手を挙げて無理くり発言させてもらったりもしています、笑。

家族との調整とビザの課題

竹崎: 次は、移住に際しての、家族とのすり合わせ・調整や、実際に来てからの生活を教えてください。

金夛:キャリアの観点はもちろんですが、家族みんなでロンドンに住むという経験自体に価値があると思っていました。子どもを単身で留学させるのとはまた違った、家族そろって海外生活を経験できるタイミングは、今しかない、と。妻とは半年ほど前から話していたので理解を得やすかったですが、娘との交渉は彼女が受験直後ということもあり大変でした。粘り強く話し合って、最終的には全員で来ることになりました。

妻の一言が決断を後押し

青山: もともと海外に行きたいと思っていましたし、子どもに海外生活を経験させたいということもあり、妻の理解はありました。

一方で、オファーを受けて、いろいろ調べて解像度が上がると、難しさやリスクも具体的になってきました。レイオフのリスク、家族がなじめるか、高い生活コスト、などなど。家族のことを考えると、本当に行くべきか迷いました。

最終的には妻が、「ずっと行きたいって言ったのに、ここで行かない選択肢はないでしょ」と背中を押してくれました。すごく肝の座ったコメントで、最後はそこに後押しされた形です。その後、私が先に渡英し生活基盤を作り、家族は長男の保育園卒業を待って、半年後に合流しました。

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文=竹崎孝二

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