アジア

2026.04.30 11:30

鉄鉱石市場で進む「脱ドル化」、中国・人民元決済への転換進む

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中国が、自国通貨である人民元への置き換えによって、世界との貿易から米ドルを排除(脱ドル化)しようとする動きは、長らくドルが支配してきた商品である鉄鉱石にも広がった。

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中国にとってのこの勝利は、世界最大の鉱山会社であるオーストラリアのBHPとの7カ月に及ぶ激しい対立の末に実現した。

米ドルから人民元へ

先月まで、BHPが中国に販売する鉄鉱石はすべて米ドル建てで価格が付けられていた。しかし今後は、その一部が人民元建てで販売される。

これは突破口にすぎない。中国は何十年にもわたり、他国との商品購入の取り決めにこの一歩を踏み出そうとしてきた。

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ドルを人民元に置き換える動きは、石油取引や国際銀行による人民元建て借り入れの急増にも見られ、先の報道では過去最高水準に達したという。

英フィナンシャル・タイムズ紙によれば、ゴールドマン・サックスを筆頭とする米国の銀行は、低金利に惹かれて中国のオフショア債券市場に参入している。

この変化はまた、投資家や企業が米国との取引に伴う不確実性へのエクスポージャーを抑えようとしている例とも受け止められている。

鉄鉱石で起きたことは、伝統的に多くの商品が米ドルで取引されてきた商品市場で進行する変化の小さな一例である。中国が世界最大の商品消費国へと成長したにもかかわらず、そうした慣行は続いてきた。

鉄鉱石をめぐる動きは、中国政府が新たに設立した商品購入機関、中国鉱産資源集団(CMRG)の創設に端を発する。同機関は、中国企業による大半の商品調達で中心的役割を担っている。

しかしBHPは、自社の鉄鉱石採掘部門と中国の製鉄所顧客との間で直接販売契約を維持する姿勢を崩さなかった。

その後の対立の中で、CMRGは圧力を着実に強め、ジンブルバーの高品質な鉱石グレードなど、BHPの特定製品の禁止も行った。

転機が訪れたのは、退任を控えるBHP最高経営責任者(CEO)のマイク・ヘンリーと後任のブランドン・クレイグが今月初めに北京で中国当局者と会談した時だった。この会談により、中国の鉱石価格制度の承認と小幅な値下げを含む新たな販売契約が成立した。

フォーテスキューやリオ・ティントを含む他のオーストラリア系鉄鉱石鉱山会社は、以前から販売の一部で中国の価格制度を受け入れてきた。しかしBHPの屈服は、中国が主導権を握っていることを商品市場に強く示すシグナルとなった。

品質が均一ではない鉄鉱石の販売は複雑なプロセスであり、鉱石中の鉄分含有量を反映し、鉄鋼の品質に影響する不純物に対して値引きを適用する指数制度に基づいている。

中国は、米国に拠点を置くS&Pグローバル傘下のPlattsによる長年支配的な指数を特に問題視し、中国の指標である北京鉄鉱石港スポット価格指数(Beijing Iron Ore Port Spot Price Index)への置き換えを求めていた。

中国向けの割引

鉄鉱石販売プロセスの一部として中国の指数を受け入れたBHPの対応には、中国の製鉄所にとっての追加の「インセンティブ」も含まれる。BHPが供給する材料に対し、1.8%の割引が付与されるのだ。

中国の経済メディア「財新(Caixin)」は、係争中だったジンブルバーの鉱石が現在、北京スポット価格指数を用い、人民元建てが51%の比重を占める混合方式で販売され、最終決済は米ドルに換算されると報じた。

契約の期限到来に伴い、より多くの中国向け商品輸入が人民元建てで価格設定される見通しだ。

forbes.com 原文

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