ウクライナでは、ロシア軍とウクライナ軍の双方が待ち伏せ攻撃型のドローン(無人機)を広範に使用している。地雷、弾薬、航空機の境界を曖昧にしているこの種のドローンは、いったん着陸して待機し、目標が現れるのを待つ。戦場では、ある彫刻作品に由来するミーム(ネット上で拡散される画像)にちなんで「ジュドゥン(待つ者)」とも呼ばれている。ドローンによる待ち伏せ攻撃、それへの対抗手段、さらにその対抗手段への対抗手段は急速に進化している。
米軍はFPV(一人称視点)ドローンの運用やその対抗策の模索ではまだ初期段階にある。ウクライナから学べることは多いだろう。
ドローンによる待ち伏せ攻撃は、オンラインの動画ではたやすく行われているように見えるかもしれない。だがウクライナ国家親衛隊のドローン部隊「タイフーン」の指揮官、コールサイン“マイクル”が説明するように、これを成功させるのはそれほど簡単ではない。そのためには綿密な計画が必要とされる。
「まず目標の選定から始めます」とマイクルは言う。「何を狙うかを正確に特定するのです」
待ち伏せ攻撃の準備
マイクルによれば、事前に選定される目標は兵站経路の場合もあれば徒歩の哨戒班のこともあり、あるいは移動中の装甲車列になることもある。
「SIGINT(シグナル・インテリジェンス。無線通信の解析や発信元特定など)や偵察ドローンを通じてデータを収集し、経路や(通過する)タイミング、装備に関するデータベースを構築しています」とマイクルは説明する。「その情報に基づいて、ドローンを着陸させて待機させる場所と時間が正確に決定されます」
ドローンによる待ち伏せ攻撃には普通、光ファイバーケーブルで制御する有線式が用いられる。無線通信のドローンは見通し線(LOS)を下回ると信号が失われることが多いためだ。光ファイバー通信は無線通信よりも消費電力がはるかに少ないため、ドローンがより長く待機できるというメリットもある。また、無線信号を発しないので、光ファイバー式ドローンは探知もより難しくなる。



