AIはこの点で助けになるかもしれない。人間に代わって監視を担い、さらに、操縦士がときおり目にするイノシシのような野生動物による誤警報も排除できる可能性がある。
マイクルは「実際に最も有用な発展は、動きを検知して操縦士に警告を出すソフトウェア、簡単に言えば『自動見張りシステム』でしょう」と予想する。「これが実現すれば、操縦士は各地点を常時警戒し続ける必要がなくなり、複数のドローンを同時にモニターできるようになります」
ドローンの自律性は高まっている。ロシア側の情報源によると、ウクライナの破壊工作グループはすでにFPVドローンを事前に配置し、あとから起動して建物や駐車中の車両など特定の目標を攻撃している。
さらに一歩進んで、AIを搭載したドローンに自律的に攻撃させることも考えられる。だがマイケルは、こうしたシステムは、少なくともウクライナ側では運用できないとの考えだ。
「技術的には開発可能かもしれませんが、それは人間の判断による目標指定というきわめて重要な一線を越えるものです。戦場は自律的な目標指定を行うには流動的すぎます」とマイクルは指摘する。「味方と敵、戦闘員と民間人を区別したり、投降の意思を認識したりするには、人間の判断が不可欠なのです」
ロシア軍はすでに、人間による監視なしで目標を探索して攻撃する自律型攻撃ドローン「V2U」を投入している。自律型の待ち伏せ攻撃ドローンが出現すれば、それはたんにこのコンセプトを拡張したものだろう。
待ち伏せ攻撃ドローンには、待機時間を延ばすため、あるいは理論上無制限にするために、簡易的なソーラーパネルを取り付けたものも確認されている。将来の戦場は、こうしたスマートで長時間待機可能な待ち伏せ攻撃ドローンが大量にはびこることになりそうだ。
ウクライナとロシアはこの新しいタイプの戦いで大きく先行している。待ち伏せ攻撃ドローンが次の段階へ進化しようとするなか、世界の残りの国々は両国に追いつくのに相当な努力を要するだろう。


