上院委員会、ケビン・ウォーシュの指名を承認──司法省捜査終結が転機
上院銀行委員会は党派に沿って、FRBを率いるケビン・ウォーシュの指名を進めることを可決した。ノースカロライナ州選出の共和党、トム・ティリス上院議員はかつて、ウォーシュの指名を阻止すると公言していた。司法省がFRB本部改修を巡る金融上の不適切行為疑惑でパウエルおよびFRBを調査しており、その捜査が終結しない限り承認しないとの立場だった。しかし検察当局が捜査終結を発表したことで、その障害は先週解消された。
ドットプロットは年内1回の利下げ示唆も、市場予想は割れる
FRBの「ドット・プロット」(中銀の政策決定を示すグラフ)は、当局が今年に1回の利下げを見込み、さらに2027年にももう1回の引き下げを想定していることを示した。ただし先月のFOMC会合では、参加者19人のうち7人が、今年は金利が据え置かれると予想していると述べていた。
パウエルは、イラン紛争が経済に及ぼす影響の範囲を把握するには「時期尚早」と指摘した上で、インフレーションがFRBの2%目標に向けて動かない限り、「利下げは行われない」と述べた。ドイツ銀行のアナリストは今月初め、利下げには労働市場の軟化とインフレーションの鈍化が必要だと記した。JPモルガンとHSBCのエコノミストは2026年中の利下げを完全に否定している。一方、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカの各エコノミストは2回の利下げを見込んでおり、最初の利下げは9月と予想している。
トランプの利下げ要求にウォーシュは距離──独立性は脅かされていない
トランプは12月にウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ウォーシュは「金利を引き下げなければならないと考えている」と自分は思うと語った。しかしウォーシュは先週、上院銀行委員会で、利下げを約束するよう求められたことはなく、トランプも「要求しなかった」と述べた。
ウォーシュはさらに、トランプを含む選挙で選ばれた政治家が金利に関する見解を表明することによって、FRBの独立性が脅かされているとは考えないと付け加えた。
アナリストは、ウォーシュが当面はFRBの慎重な姿勢を維持するとみている。バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズで米国経済の責任者を務めるアディティヤ・バーヴェはメモで、ウォーシュの見通しは「追加利下げよりも、長期の据え置きとより整合的だ」と記した。仮にウォーシュが利下げを望んだとしても、FOMCの投票権を持つ12人のうちの1人にすぎない。


