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2026.05.06 09:15

「推し活」の熱狂が招くメンタルリスク、7割が実感するモチベーション低下の現実

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現代において、特定の対象を熱心に応援する「推し活」は、日々のストレスを解消し、明日への活力を得るための重要なライフスタイルとして定着している。しかし、その情熱が強すぎるあまり、いつの間にか心身を削ってしまう「推し疲れ」という現象が顕在化している。

ブックリスタの「おしばな」編集部が実施した調査によると、推し活に対するモチベーションが下がった経験が「ある」と回答した人は、全体の70.8%に達した。これは、推し活が単なる娯楽の域を超え、心理的負担を伴う活動になり得ることを示唆している。

モチベーションが低下する要因を深掘りすると、最も大きな要因の一つとして挙げられるのが、情報の過多とスピード感だ。SNSを通じて絶え間なく流れてくる公式情報や、ファンの間のコミュニケーションを追い続けることは、多忙な現役世代にとって大きな時間的・精神的コストとなる。また、経済的な負担も無視できない。限定グッズの購入や遠征費など、応援を継続するために必要な出費がかさむことで、本来の生活基盤を脅かすケースも見受けられる。

さらに、心理的な側面では「義務感」の発生が深刻な影を落としている。最初は純粋な喜びから始まった活動が、いつの間にか「情報を追わなければならない」「周囲のファンと同じように貢献しなければならない」といった強迫観念に変質してしまう。特にSNSでの人間関係が密接になるほど、他者との比較や同調圧力による疲弊が加速し、結果として「推し」そのものへの愛情を維持することが困難になる。

こうした推し疲れを感じている人が多いにも関わらず、多くの人が推し活を完全に辞めるわけではない実態も見て取れる。休息を挟んだり、情報との距離を置いたりすることで、自分なりの持続可能な応援スタイルを模索する傾向にある。趣味が人生の質を向上させるはずのものでありながら、逆にパフォーマンスを低下させる要因となっては本末転倒だ。熱狂的な活動の裏側に潜むリスクを認識し、適切な「心の距離感」を保つことが、長期的に推し活を楽しむための鍵と言えるかもしれない。

出典:おしばな「推し活のモチベーションに関する調査レポート」より

文=飯島範久

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