働き方

2026.05.10 12:00

AGI後の人間の労働価値を問い直す

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人々はコモディティーではないものを求める

イマス自身の主張は異なる。彼は、AIが多くのことをうまくこなせる状況であっても、人間の労働は繁栄し得ると見ている。

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「構造変化の経済学と、人間の選好に深く根差した特徴を合わせて考えると、人々は豊かになるにつれて、単に商品をより多く求めるわけではないことが分かる」と彼は書く。「人々は、通常の意味での商品ではないものを求めるようになるのだ」。

懐疑論者は、人間が関わるものに割増料金を払うくらいなら、人々は安い方を選ぶだろうと言うかもしれない。しかし、必ずしもそうはならない。イマスはこの問題の「社会的側面」に着目し、人と人とのつながりから生まれる「関係的価値」が経済のルールを書き換える「ポスト・コモディティー経済」を提唱している。彼の予測は明快だ──「自動化されたセクターのGDPに占める割合は縮小し、関係性を重視する部門は拡大する」。ウィッテモアはこの議論を受けて、ビジネスの主導権が供給側から需要側へと移ることの意味合いを論じている。

関係性を重視する部門は米国で5000万人を雇用

長文の投稿の残りの部分で、イマスはこうした経済的な動きの具体例を示し、最後に、関係性を重視する部門が優位に立つという論旨を改めて述べている。「教育、介護・ケア、ホスピタリティー、セラピー、そしてさまざまな地域密着型サービスは、この論考の別の箇所で述べた理由から、サービスの価値が、それを提供する人間とますます強く結び付く可能性が高い分野だ」と彼は書く。

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米労働統計局(BLS)の消費支出調査に基づく研究を引用し、所得上位20%の世帯が、関係性を重視する部門に関わる購入により多く支出していることを示している。

「これらの部門は、経済の中で小さな部分ではない。合わせて、米国で約5000万人を雇用している。このことは、AGI後の経済において、関係性を重視する部門が経済全体のかなり大きな割合を占めるという主張に、一定の信ぴょう性を与えている」。

どうなるかは、今後を見守ろう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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