BTS完全復帰の裏で「生みの親」を直撃した詐欺的不正取引疑惑

GHArtwork - stock.adobe.com

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BTSの完全体復帰とワールドツアー再開への期待が高まるなか、K-POPビジネスの最前線に異変が生じた。

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BTSが所属する「HYBE」の創業者にして議長を務めるパン・シヒョク氏が、資本市場法違反の「詐欺的な不正取引」容疑で捜査対象となり、韓国警察が拘束令状を請求したのだ。

拘束令状は、捜査機関が被疑者を拘束する際に裁判所から発行される正式な許可書のことを指す。

華やかな事業成長の裏で、何が起きていたのか。この問題は単なるスキャンダルにとどまらず、企業価値や資本市場の透明性、K-POP産業全体の信頼性を根底から問い直す可能性を投げかけている。

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2024年の売上高は2兆ウォン

HYBEは、2005年にパン・シヒョク氏が設立した芸能事務所「Big Hit Entertainment」を前身とする。設立当初は中小規模の事務所に過ぎなかったが、2013年に防弾少年団(BTS)をデビューさせたことで状況は劇的に変わった。

パン氏は言わば防弾少年団の「生みの親」とも言えるが、BTSを名乗るようになってからは、数年のうちに世界的なスーパーグループへと成長し、その経済効果は韓国のGDPにも貢献するほどのレベルにまで達した。

2020年10月、Big Hit Entertainmentはコスダック(韓国店頭株式市場)への上場を果たす。初日から株価は公開価格の約2.7倍に跳ね上がり、時価総額は瞬く間に4兆ウォン(約4200億円)を超えた。

翌2021年には社名をHYBEに改称し、米スクーター・ブラウン氏の「Ithaka Holdings」を買収、また「ナスメディア」 など国内外のM&Aも矢継ぎ早に敢行。

BTSを核としながら、SEVENTEEN、NewJeans、LE SSERAFIMといった多様なアーティストを傘下に持つエンターテインメント・コングロマリットへと変貌した。

現在のHYBEは、音楽、マーチャンダイジング・ゲーム、ライブエンターテインメントにまたがる複合企業であり、2025年連結基準売上高は、前年同期比約18パーセント増の2兆6499億ウォン(約2867億円)を超える規模に成長している。

こうした急成長の象徴であるパン・シヒョク氏が、いま、創業前後の資本政策をめぐる法的リスクに直面している。

韓国警察は、現在、パン氏に対して資本市場法に違反する「詐欺的な不正取引」を行った疑いで捜査を進めている。

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文=アン・ヨンヒ

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