クロオウチュウは、インド亜大陸ではありふれた鳥だが、彼らの行動は「普通」とはかけ離れている。怖い物知らずの攻撃性から、現地名で「King Crow」とも呼ばれるこの種は、ワシやタカなど、自分よりはるかに大型の捕食者に対してさえ、なわばりに侵入した際には猛然とモビング(擬攻)を仕掛けることで知られる。
クロオウチュウは、カジランガ国立公園などの地域において、季節性の山火事を狩りのツールとして利用することを学んだ。彼らは鳴き真似の名手でもあり、他種の鳥や哺乳類の警戒音声を模倣し、危険が迫っていると誤解させて他種を追い払ったあと、悠々と食料を横取りする。
7. 大賞:嵐の前(撮影:ジェームズ・ウェルチ)
この作品は、濡れた砂の上を行進するオウサマペンギンたちを捉えたものだ。引き潮が生み出した鏡のような砂に、ペンギンのなめらかな体が反射している。背後に打ち寄せる南極海の高波もさることながら、作品の空気を支配しているのは、重苦しい鉛色の空だ。
ペンギンたちは水平線を見つめ、何かを協議しているかのようだ。落ち着いた立ち姿からは、この群れが、雲行きの変化に気づいていることがうかがえる。この作品は、予期の概念を見事に捉えており、ペンギンの群れが、亜南極の嵐というむきだしの暴力に備える様子が描かれている。
オウサマペンギン(学名:Aptenodytes patagonicus)は、世界で2番目に大きなペンギンであり、フォークランド諸島やサウスジョージア島で巨大なコロニーを形成する。多くの鳥とは異なり、彼らは巣をつくらず、たった一つの卵を足の甲に乗せ、抱卵斑と呼ばれる温かい皮膚のひだに包んで運ぶ。
オウサマペンギンが示す、卓越した生存戦略の一つが「託児所」システムだ。この写真に捉えられているような猛烈な嵐を耐え忍ぶため、ヒナたちは「クレイシュ(crèche)」と呼ばれる巨大な集団を形成して身を寄せ合う。
そのおかげで成鳥は海に向かうことができ、そこで獲物のハダカイワシやイカを求めて、時に水深300mまで潜水して狩りをする。彼らは、ずば抜けた持久力を備えた、鳥類界きっての有能なダイバーなのだ。


