2. 流麗なる飛翔(撮影:リー・グリーングラス)
シャッタースピードをあえて遅くして撮影しており、飛翔中の鳥を静止画として捉えるのではなく、動きそのものを描き出している。これにより、見たままの光景をはるかに超える姿が浮かび上がった。鳥の体は、やわらかに広がる幻影のようにかすみ、翼は淡い弧を描いて、落ち着いた緑の背景と対照をなしている。
この作品には、浮遊感に加え、転調の印象がある。まるで被写体の鳥が、固体と(作品のタイトルからもうかがえるように)流体という2つの状態の中間に滑り込んだかのようだ。鳥が飛び立った地点である、左下の樹皮の粗い質感が、情景を現実につなぎ留めている。
被写体は、ドングリキツツキ(学名:Melanerpes formicivorus)の白化個体だ。この種は、樹木と、密接で構造化された関係を持つことで知られている。2019年に学術誌『Frontiers in Ecology and Evolution』に掲載された論文によれば、この種は、木に数千の小さな穴をあけてドングリを貯蔵する。「貯蔵庫」になった木は、時に世代を超えて維持管理される。
白化(リューシズム)とは、遺伝的要因による色素の減少を意味する。被写体になったこの鳥が非常に淡い色合いをしているのはそのためだ。本来、ドングリキツツキの羽色は明暗がはっきりしているが、それがないために、亡霊のような姿に変貌しているのだ。作品における「動き」の表現により、こうした効果がさらに強まっている。
3. 雨のあと(撮影:ニキータ・チチェリン)
通り雨の直後に撮影されたこの作品は、動作とその余韻の間にある、一瞬の静止を捉えている。ニシツノメドリは微動だにせず、羽を彩る雨粒のビーズの一滴一滴が光を捉え、暗い翼に華を添えている。くちばしは、小魚の塊をしっかりとくわえている。


