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2026.04.28 08:30

イランの「小型艇狩り」にも投入、米空軍のタフな老攻撃機A-10が当面延命へ

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米空軍は長年、A-10「サンダーボルトII」近接航空支援機を退役させることを試みてきた。最初の試みは1984年にまでさかのぼる。フェアチャイルド・リパブリック社が開発し、パイロットや整備士らの間で「ウォートホッグ(イボイノシシ)」という愛称で親しまれているA-10について、米空軍当局者は、米国と同等に近い敵対国、具体的に言えば中国やロシアとの高度な武力紛争には不向きだと繰り返し主張してきた。

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米空軍には、老朽化が進むこの航空機を退役させて、より現代的なプラットフォーム、とりわけロッキード・マーティン製F-35ライトニングII多用途戦闘機の導入を進めたいという意向もあった。

一方、A-10の引退に反対する人たちは、どの新型機もA-10ほど効果的には近接航空支援の役割を果たせないと唱えてきた。

その説には一理あるかもしれない。

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この頑丈な攻撃機は1970年代初めに米空軍で就役し、グローバルな対テロ戦争中、アフガニスタンやイラクでの航空支援任務で成功を収めた。中東の紛争地域に投入されるケースも増えており、そこでも高い能力と有効性を示してきた。イランに対する現在の「壮絶な怒り(エピック・フューリー)作戦」でも、A-10はホルムズ海峡でイランの高速攻撃艇をはじめとする小型武装艇を攻撃・破壊するために積極的に運用されている。4月には、撃墜されたF-15E「ストライクイーグル」戦闘機の乗員を捜索・救助する任務にも加わった。

A-10の有効性があらためて示されたことを受けて、米空軍のトロイ・メインク長官は4月下旬、A-10は少なくとも2030年まで現役だと確認した。

「戦争長官(国防長官)との協議の結果、われわれはA-10“ウォートホッグ”プラットフォームの運用を2030年まで延長します。これにより、防衛産業基盤が戦闘機生産の拡大に取り組む間、戦闘力を維持できます」とメインクはX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

この措置は米空軍の方針転換を意味する。2026会計年度(2025年10月〜2026年9月)の国防権限法ではA-10に関して、今年9月末時点の最低保有数として求められていたのはわずか103機であり、2029年までに完全に退役させる方針が示されていた。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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