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2026.04.28 07:30

OpenAIとマイクロソフト、独占契約を解消──収益分配も終了へ

Rafael Henrique - stock.adobe.com

2019年の1590億円出資から2025年再編まで──緊張を増した提携の経緯

マイクロソフトとOpenAIは2019年以来、AI分野で最も重要なパートナーシップを築いてきた。同年、マイクロソフトは当時まだ小規模な非営利の研究機関だったOpenAIが新設した営利部門に10億ドル(約1590億円。1ドル=159円換算)を投資した。この時の契約により、マイクロソフトはOpenAIの技術を企業向けに独占的に販売できる立場となり、OpenAIが稼働できるクラウドはマイクロソフトのAzureのみに限定された。その代わりにマイクロソフトは、OpenAIがモデルを訓練するのに必要な資金とリソースを提供した。

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2023年、ChatGPTの爆発的な普及を受けて、マイクロソフトはさらに100億ドル(約1.59兆円)を追加投資し、OpenAIへの総投資額は130億ドル(約2.07兆円)に達した。また、従来の独占および利益分配の取り決めを拡大した。

しかし、OpenAIのコンピューティング需要がマイクロソフトの供給能力を上回るようになり、OpenAIがオラクルとソフトバンクによる5000億ドル(約79.5兆円)規模の「スターゲート」データセンタープロジェクトを含め、マイクロソフトの競合との提携を模索したことで、両社の関係は次第に緊張を増した。数カ月にわたる激しい交渉を経て、両社は2025年10月に大規模な再編合意に至った。

OpenAIの営利部門は2019年の設立当初、上限を超える利益が元の非営利団体へ還流する「利益上限付き事業体」として作られていたが、この再編合意により利益上限を撤廃した公益法人(public benefit corporation)へと転換された。マイクロソフトには27%の出資比率が付与された。マイクロソフトがOpenAIにコンピューティング能力を提供する独占権は終了したものの、クラウドおよびライセンシングの独占権は維持され、収益分配契約も従来通り据え置かれた。

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今回の合意により、OpenAIをめぐるマイクロソフトの独占は終わり、長年の支援企業に対してOpenAIが分配すべき収益の額には上限が設けられる。

企業価値約135.47兆円、IPOで約159兆円到達も視野

2026年3月、史上最大の非公開テック資金調達となる1220億ドル(約19.4兆円)を調達した後、OpenAIの評価額は8520億ドル(約135.47兆円)となった。OpenAIはIPO(新規株式公開)に向けて準備を進めており、早ければ2026年にも企業価値が1兆ドル(約159兆円)に達する可能性がある。

マスク訴訟が同日開催──約23.85兆円の賠償請求

今回の発表のタイミングは、重要な法廷闘争が本日4月27日、審理に入ることと重なる。カリフォルニア州オークランドでは今朝、民事裁判の陪審員選定が始まった。イーロン・マスクが、OpenAIのCEOサム・アルトマン、共同創業者グレッグ・ブロックマン、そしてマイクロソフトを提訴している。マスクはテスラおよびスペースXのCEOで、OpenAIの初期共同創業者かつ寄付者でもあり、2018年に取締役会を離れた。

マスクは、OpenAIが「人類の利益のためにAIを構築する」ことに専念する非営利組織であり続けるとの理解のもと、創業初期に約3800万ドル(約60億円)を拠出したという。しかし現在、アルトマンらがその慈善事業を違法に商業的な巨大組織へ転換し、今や評価額8520億ドル(約135.47兆円)に達したと主張している。

マスクは裁判所に対し、営利部門への転換の解消、アルトマンの解任、そして利益をOpenAIの慈善財団へ返還することを求めており、損害賠償として1500億ドル(約23.85兆円)を請求している。マイクロソフトは、慈善信託の侵害とされる行為を可能にしたとの前提で共同被告として名指しされた。裁判は4週間にわたって続く見通しで、その間、アルトマン、マスク、そしてマイクロソフトCEOのサティア・ナデラがいずれも証言する予定だ。

forbes.com 原文

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