映画

2026.05.05 16:00

死後5500億円稼いだマイケル・ジャクソン伝記映画、『ボヘミアン・ラプソディ』超えの期待

1988年7月、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された「BAD」ツアーでパフォーマンスを披露するマイケル・ジャクソン(Photo by Pete Still/Redferns)

1988年7月、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された「BAD」ツアーでパフォーマンスを披露するマイケル・ジャクソン(Photo by Pete Still/Redferns)

「キング・オブ・ポップ」と呼ばれるマイケル・ジャクソンは、2009年に死去して以降に35億ドル35億ドル(約5500億円)以上を稼ぎ出した。彼の遺族は、新たな映画でさらに収益を伸ばそうとしており、新たな世代のファンが彼の「良い面」だけを記憶するよう、必要な費用を惜しまず投じている。

マイケル・ジャクソンの生涯を描いた伝記映画『Michael/マイケル』のワールドプレミア上映は、ドイツのベルリンで行われた。マイケルの甥であるジャファー・ジャクソンが主演する、アントワーン・フークア監督のこの映画の上映会場の外には、数千人のファンが集まり、劇中のミュージカルナンバーが終わるたびに熱狂的な拍手が起き、主演の演技にも称賛が相次いだ。その一方、祝祭ムードに包まれた作品本編と、厳しく情報統制されたレッドカーペットでのお披露目イベントでは、マイケルの功績に影を落としてきた性的虐待疑惑には一切触れられなかった。それでも、この映画のプロデューサーであるグレアム・キングは、観客とともに初めてこの映画を見ることに「緊張し、不安を感じていた」と認めていた。

クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』も手がけたキングは、「この映画では本当にいろいろなことが起きた。どうしてこんなことになるのか、なぜここまで難航するのかと、何度も頭を抱えた」と語る。「以前、私はフレディ・マーキュリーに次々と試練を与えられているようだと言っていた。マイケルも同じだった。今ごろ天国では、マイケルとフレディが2人で笑っているはずだ」

当初予算240億円、史上最大級の伝記映画に

当初の予算が1億5000万ドル(約236億円)だった本作品は、2024年5月に最初の撮影を終えた時点で、すでに史上最も野心的な伝記映画となっていた。だがその後、マイケル・ジャクソン遺産管理財団の遺産管理人らは、ジャクソンから児童性的虐待を受けたと訴えた人物の1人との1994年の和解契約に、その人物の体験を映像作品として描かないとする条項が含まれていたことを知った。この条項により、すでに撮影していたかなりの場面が使えなくなった。

追加撮影費は最大80億円に膨らむ可能性

ライオンズゲートと制作陣は、この映画を3時間半の大作にするのではなく、『スリラー』と『バッド』後のキャリアの絶頂期にあたる1980年代後半で物語を終えることを決めた。マイケル・ジャクソン遺産管理財団はさらに、22日間の追加撮影費を負担することに同意した。その費用はフォーブスの推計で2500万ドル(約39億3000万円)超だが、一部報道では最大5000万ドル(約78億6000万円)とされている。

『Michael/マイケル』が黒字化するためには、世界の興行収入が5億ドル(約800億円)を超える必要がある。この水準に達した音楽伝記映画は、これまで『ボヘミアン・ラプソディ』しかない。今回の映画がマイケルのキャリアの前半で幕を閉じる構成になったため、制作側は生涯の後半を描く続編も視野に入れている。ライオンズゲートは、その続編にゴーサインを出す条件として、配信などの二次収入を含めて7億ドル(約1110億円)超を期待していると報じられている。続編では、すでに撮影済みの映像の一部を活用する見通しだ。

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