FRBの予測とドットプロットを理解する
FOMCに属する19人の当局者(FOMCの投票メンバー12人より7人多い)は、それぞれが、当年に加え、その後2年分、さらに「長期」にわたるGDP(国内総生産)成長率、失業率、インフレーションの個別予測を提出する。インフレーションに用いられる数値は、米商務省経済分析局が作成する個人消費支出(PCE)で、FRBがインフレーション指標として重視する尺度である。SEPは、集計された予測の中央値、中心傾向、そして高低レンジを示す。中心傾向とレンジの数値は、見積もりがどの程度集中しているかを示し、予測にどれほどの一貫性──どれほどの合意──があるかを理解する助けとなる。
一部の数値には、SEPに含まれる「ドットプロット」と呼ばれるグラフがある。例として、2026年3月のSEPのドットプロットを考えてみよう。2026年から2028年、さらに長期について、各年の点は、19人のFRB幹部がそれぞれ見込んだFF金利レンジの中央値を示している。時間とともに変化するパターンは、「群衆の知恵」の小さな例のように、幹部全体が金利の推移をどう見ているかを示す。
足元の経済見通しと市場の変化
3月の予測は穏やかなものであった。2026年3月に公表されたSEPによれば、重要なポイントは次のとおりである。
・実質GDPの変化見通し(2026年):2026年は2.4%、2027年は2.3%、2028年は2.1%、長期は2.0%
・失業率見通し:2026年は4.4%、2027年は4.3%、2028年は4.2%、長期は4.2%
・PCEインフレーション:2026年は2.7%、2027年は2.2%、2028年は2.0%、長期は2.0%
・コアPCEインフレーション(エネルギーと食品の変動を除いたインフレーション):2026年は2.7%、2027年は2.2%、2028年は2.0%
ドットプロットは、3.5%を中心とする上方に偏った重心から、3.25%〜3.75%のレンジへと推計が移る様子を示している。ドットプロットは、FF金利が下方に向かうと見込まれていたことを示している。
ただし、イラン紛争が長期的に及ぼし得る影響、さらなる関税をめぐる対立の可能性、労働市場の不安定さ(人工知能が雇用の増加や雇用そのものに何を意味するのかを含む)などの要因があるため、あらゆる予測は暫定的に受け止める必要がある。CPIインフレーションは2月の2.4%から3月には3.3%へ上昇した。
2026年にFRBは利下げするのか
2026年のFRBの先行きは極めて不確実で、4月初旬の時点でも、今後何が起きるかについて専門家の見解は大きく分かれている。
「今年は1回か2回の利下げがあると予想している」と、資産運用会社グレンミードの投資戦略担当バイスプレジデント、マイク・レイノルズは語った。「景気が失速している兆候は見えないが、それでも今年の経済成長見通しはゼロをかなり上回っている。問題は、インフレーションが持続的な問題になるかどうかだ」。
2026年にFRBは利上げするのか
では逆に、FRBが2026年、利上げする可能性はあるのか。そうなる可能性が高いと見る向きもある。「市場は不確実性を嫌うというのが、ウォール街の古い格言だ」と、Economic Index AssociatesのCEOで、クレイトン大学ハイダー・カレッジ・オブ・ビジネスの金融学教授でもあるロバート・ジョンソンは述べた。「トランプ大統領は実際、予測不能であることを誇りにしている。FRBに起きているのは、動くゴールポストに向かってゴールを決めようとしているようなものだ。何年ぶりかで、支配的な見方は『利下げ』よりも『利上げ』のほうがはるかに起こりやすいというものになっている」。


