不況は米国をも巻き込む
米国はエネルギーに関しては輸出額が輸入額を上回っている純輸出国だが、景気後退(リセッション)が起これば否応なしに巻き込まれる。石油は国際的に取引されているからだ。米国で生産された石油の価格も、輸送費など些少の差異はあれ、世界の石油価格に連動する。そうしなければ、米国の石油生産者が海外に売りさばくだけになる。米国人が自国のエネルギーを確保したいなら、国際価格に合わせなければならない。米国の石油会社の懐は潤うだろうが、使えるエネルギーが限られた世界に人々が適応しようとすることで景気後退が起こる。繰り返しになるが、これは一時的な調整の問題だ。
ホルムズ海峡の封鎖が常態化したらどうなるだろうか。その可能性は低いが、極端なケースを考えることで理解が深まる場合もある。世界はエネルギー不足に適応する。エネルギー部門、特にエネルギー効率化の分野において、新たな雇用機会が生まれる。世界は幾らか貧しくなるだろうが、経済活動は新たな現実に適応するだろう。1年以内に完全雇用が実現する可能性が高い。
もし数カ月以内に海峡が再開されれば、必要な調整は少なくて済む。経済は1~2カ月もすれば回復するだろう。潜在的な生産・消費の損失という傷跡は残るが、世界経済の生産能力は完全回復するはずだ。


