経済

2026.04.27 10:00

イラン紛争は「世界的な景気後退」を招く ホルムズ海峡封鎖が長引けば何が起こるか

アラビア海を航行する船舶。2026年4月20日撮影、米海軍提供写真(Handout Photo by the U.S. Navy via Getty Images)

企業はエネルギーコストの増加分をどれだけ顧客に転嫁できるかを検討し始める。たとえば運送会社は、自社サービスの最終利用者(エンドユーザー)に商品を工場や物流センターから店舗へ運ぶ際の有効な代替手段がないため、コストをそっくり運送費に転嫁できる。

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代替製品のあるエネルギー集約型製品の販売は伸び悩むだろう。合成樹脂(プラスチック)と木粉を混ぜ合わせてつくる人工木材(樹脂木材)はいまや一般的なDIY素材だが、石油を原料とするプラスチックの価格が高騰すれば、木材の方が経済的な選択肢となる。DIYそのものを当面先延ばしにするという選択をしても、エネルギー集約型製品の生産減少を招くことになる。人工木材が経済全体に占める割合はごくわずかだが、これは必ずしも買わなくて済むエネルギー集約型製品の価格が高騰するとどんなことが起こるかの好例だ。エネルギー集約型製品の生産減少によってさらに多くの解雇が発生し、個人消費の縮小につながる。

解雇は調整プロセスの一環

解雇は一時的な調整に伴う問題であり、経済活動の恒久的な縮小ではない。時間の経過とともに、確保できるエネルギーは増える。湾岸以外の地域での石油・天然ガスの増産や、石油価格の上昇により経済性が向上した太陽光や風力などの代替エネルギー源の活用などによるものだ。原子力発電への依存度が再び高まるかもしれない。また、エネルギー集約度の低い製品へと消費者が移行する可能性もある。

エネルギー生産量が増えなくても、経済は適応していく。人々はより少ないエネルギーで生活する方法を模索するだろう。しかし、その変化は迅速でも容易でもない。一部の職種は存続不可能になる。一部のレクリエーション活動は、参加者にとってコストに見合わなくなる。

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こうした調整には時間とコストがかかる。それは新たな石油資源の発掘にもまさしく当てはまる。新しい油田の開発には、まず地質評価が欠かせない。その後、試掘井を掘削し、さらに生産井と、出荷する石油を運搬するインフラの整備が必要となる。世界の生産能力を増強するまでには相当の時間がかかる。10年程度が目安となるが、個々のプロジェクトによってはもう少し短期で済んだり、もっと延びたりするだろう。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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