2026.04.27 12:30

中国の自動車メーカーが「高級車」市場に続々と進出──北京モーターショー

北京モーターショーの会場には中国メーカーの高級SUVが並ぶ(Auto china)

北京モーターショーの会場には中国メーカーの高級SUVが並ぶ(Auto china)

長い間、欧州の高級車メーカーは、中国製の安価な電気自動車(EV)が急速に台頭しても、落ち着いていられた。なんといっても、ポルシェやメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどのブランドに、中国製のEVが競合できるとは誰も予想しなかったからだ。これら欧州の高級車メーカーは、その歴史、技術的威信、そして数十年の間に築き上げた高いブランドイメージによって守られているように見えた。

しかし、状況は変わりつつある。

4月24日に開幕した北京国際自動車展(北京モーターショー)で、中国メーカーが展示している車両は、欧州車の安価な代替品だけではない。ジーリー(吉利汽車)やNIO(上海蔚来汽車)などの中国企業は、先進技術と高級装備を満載したプレミアムモデルを、ドイツのライバルたちよりも大幅に低く設定した価格で投入してきた。これは価値と魅力、そしてステータスそれ自体を巡る戦いだ。

だからこそ、今回の北京モーターショーには、単に派手なクルマを並べただけの自動車ショー以上の意味がある。この数年間、中国の自動車市場は、急速な電動化と補助金政策に後押しされた成長で活況を呈してきた。しかし、現在は深刻な過剰生産という問題を抱えている。国内市場は今や飽和状態となり、販売は落ち込みが続いており、自動車メーカーはこの状況から抜きん出るための新たな手段を必要としている。その1つの答えが、高級路線への転換だ。

ロイター通信は、今回のモーターショーには「大型高級SUVが溢れている」と記している。これは、もはや中国ブランドが、今後は「格安車」セグメントだけを占有すればいいと思ってはいないことを示す兆候だ。彼らは「利幅が大きい」セグメントも欲している。

その最も鮮烈な例は、ジーリー・グループが展開するプレミアムブランド「Zeekr(ジーカー)」だ。同社の新型車「8X」は、航続距離の長い(中国のCLTCモードで1416km)フルサイズのプラグインハイブリッドSUVで、ショールームやソーシャルメディアで際立つ鳴り物入りのテクノロジーを満載している。

北京モーターショーで披露されたプレミアムブランドZeekrの新型車「8X」(Johannes Neudecker/picture alliance via Getty Images)
北京モーターショーで披露されたプレミアムブランドZeekrの新型車「8X」(Johannes Neudecker/picture alliance via Getty Images)

どのような新機能を搭載しているのか? 側面衝突を予測すると、車高が上がり乗員をより確実に保護する。狭い駐車スペースでは、オーナーが手を振るとクルマが自動的に後退し、容易に乗り込むことができる。邦貨換算で約830万円からという価格設定は、その2倍から数倍の価格が付けられたドイツの高級モデルと比べた際に、競争力を一層際立たせる。

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翻訳=日下部博一

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