欧州

2026.04.27 07:30

ロシアの労働力不足が深刻化 国民の7割超はウクライナ侵攻を依然支持

ロシアの首都モスクワ(Getty Images)

チェスの元世界王者でロシアの反体制派の政治家でもあるガルリ・カスパロフは筆者の取材に対し、次のように述べた。「現政権を追放したいと考えているロシア人の多くには逃げ場がなく、プーチン大統領はウクライナ侵攻をロシアと西側諸国との対立であるかのように描くことで、こうした国民を支配し続けている。プーチン大統領との決別を望むロシア人に対し、一定の条件、すなわちプーチン政権は非合法であり、戦争は犯罪であり、クリミア半島はウクライナの領土であるとする宣言に署名することを約束すれば、自由世界には居場所があることを示すことができる。これは、高学歴で裕福な層の国外流出を加速させ、頭脳流出を通じて政権を弱体化させる可能性があり、ロシア国民はどちらの側につくのかを決めざるを得なくなるだろう。この条件で出国するロシア人は、将来の自由なロシアの礎となり、祖国を再建するための才能と誠実さの源泉となるだろう」

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こうした状況とは裏腹に、ロシアの独立系世論調査機関レバダセンターが2月に実施した調査によると、同国の国民の72%が依然としてウクライナ侵攻を支持していることが明らかになった。回答者の57%は、ウクライナのエネルギー施設に対するロシア軍の攻撃は正当化されると答えた。他方で、回答者の67%が、ウクライナとの和平交渉を直ちに開始すべきだとした点は注目に値する。

この世論調査の結果は、ロシア国民の大多数がウクライナ侵攻を依然として支持していることを浮き彫りにした。国民が政府の方針を支持していることから、ロシアの政治情勢が複雑であることがうかがえる。こうした状況を背景に、ロシアの反体制派やウクライナ侵攻に反対する人々は、プーチン大統領に異議を唱えようと、政治的な変革を求めている。

カスパロフはこう語る。「これまで、ロシアで大きな政治的変革が起きたのは、軍事的な敗北の後だけだった。例えば、1856年、1905年、1917年、そして1989年だ。具体的な制度改革について議論する前に、ロシア国民は帝国主義的な野心を改める必要がある。それを実現する唯一の方法は、ウクライナの勝利だ。ロシアがかつての帝国の礎と見なしているウクライナで敗北すれば、両国にとって自由を勝ち取る絶好の機会となるだろう」。カスパロフは17日に米ニューヨークで開催された会議で講演した際にも、ウクライナの勝利の必要性を改めて強調した。

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ウクライナ侵攻が、いつ、どのように終結するのかは、誰にも分からない。ただ、1つだけ確かなことがある。ウクライナ侵攻はロシアに経済的、社会的、政治的な影響をもたらしており、戦闘が長引くにつれて状況は悪化するということだ。戦闘が終結した後も、これらに対処するには多大な時間がかかるものとみられる。ウクライナ侵攻がもたらす影響は一時的なものではなく、その余波は今後何世代にもわたって続くだろう。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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