北米

2026.04.28 10:30

米国によるイラン海上封鎖、これだけは知っておくべき「5つのポイント」

Photo by Majid Saeedi/Getty Images

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米海軍はホルムズ海峡で海上封鎖を開始した。ただし、ホルムズ海峡そのものを封鎖しているわけではない。米中央軍(CENTCOM)によると、米軍は米東部時間4月13日午前10時、イランの港湾に出入りするすべての海上交通の封鎖を開始した。イランが核開発計画の放棄を拒否し、海峡の主権維持を要求したことで、4月12日にイスラマバードでの和平交渉が決裂。これを受けてトランプ大統領はトゥルース・ソーシャルで封鎖を発表し、「ホルムズ海峡に出入りしようとするあらゆる船舶」に適用すると述べた。しかし、実際に起きているのはそうではない。以下、知っておくべきポイントを解説する。

(1)海上封鎖(blockade)とは何か

「封鎖(blockade)」という言葉は、海上交通を制限するさまざまな作戦や阻止行動を指して口語的に用いられることが多い。だが法的には特定の意味を持つ。封鎖とは、敵国の支配下にある特定の港湾、飛行場、または沿岸地域への出入りを、敵国・中立国を問わずすべての国の船舶および航空機に対して阻止することを目的とした行為である。封鎖の目的は、相手が戦いを継続するために必要な補給を断つことにある。

封鎖は交戦行為であり、法律用語以外では「戦争行為」と呼ばれる。中立国の船舶や航空機が封鎖を突破しようとした場合、拿捕の対象となり得る。

封鎖が合法であるためには、適切な法的権限に基づいて設定されなければならない。米国では、大統領または国防長官のみが封鎖を宣言できる。大統領がソーシャルメディアで封鎖を宣言したことは前例のない手法だったが、合法であった。封鎖の通告は、効果的である限りいかなる形式で行ってもよい。

また、封鎖が国際法上の拘束力を持つには、実効性が必要だ。つまり、封鎖区域への出入りを危険にさらすのに十分な戦力によって維持されなければならない。さらに、すべての国の船舶に対して公平に適用されなければならないが、一定の状況下では中立国の政府船舶や人道的理由による特別な出入りが認められる場合もある。

封鎖はしばしば海上検疫(maritime quarantine)と混同される。海上検疫とは、平時における軍事行動であり、急性の脅威や危機に対して、緊張緩和と安定回復を目的に抑制的に行われる対応だ。これに対して封鎖は、特定の交戦当事者に対する戦争行為であり、最終的な目的は敵を弱体化させ、打ち破ることにある。米国が海上検疫を発動したのは一度だけで、1962年にジョン・F・ケネディ大統領がソ連のミサイルや兵器のキューバへの流入を阻止するために行った。

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