経営・戦略

2026.04.26 15:31

交渉の達人が実践する「Win-Win」を生み出す5つの原則

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営業ブローカーであれ、不動産業界に入ったばかりの人であれ、交渉は成功に不可欠なスキルだ。私自身、不動産業界で25年以上のキャリアのなかで、契約の細部に関する会話から、数カ月、場合によっては数年にわたって進行する複雑な取引まで、さまざまな場面で交渉が行われるのを見てきた。

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そこで学んだのは、最良の交渉ほど、関係者全員にとって好ましい結果を生みやすいということだ。双方が「自分たちの目標は理解され、対応された」と感じて席を立てるとき、その取引は成功する可能性がはるかに高くなる。

交渉力を高めたいなら、交渉の場にいる双方にとって価値をどう生み出すかに焦点を当てるとよい。

まずは聞くことから始め、「何が重要か」を理解する

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交渉で価値を生み出す最も効果的な方法のひとつは、まず耳を傾けることだ。元FBI人質交渉人で『Never Split the Difference』の著者であるクリス・ヴォスは、質問を投げかけ、相手が本当に何を重視しているのかを学ぶ重要性をしばしば強調している。

私がヴォスの講演を聞く機会に恵まれたとき、彼は、多くの交渉が決裂するのは、人々が自分の主張を提示することに早々に意識を向けてしまうからだと説いた。実際には、解決策の議論に入る前に、相手はただ「話を聞いてもらえた」「理解された」と感じたいだけの場合もある。

思慮深い質問をし、返答に注意を払えば、当初は見えにくい優先事項が浮かび上がることがある。こうした情報が、双方にとって成立するディールを組み立てる鍵になる場合が多い。

価格の先を見る

交渉はしばしば価格の話として捉えられるが、考慮すべき要素は他にも多い。タイミング、柔軟性、クロージングの確実性といった点が該当する。ニューヨークの著名投資家ハリー・ヘルムズリーが不動産業界で広めた有名な言い回しに「Your price, my terms(価格はあなた、条件は私)」がある。ディールの組み立て方は、価格そのものと同じくらい価値を持ち得る、という考え方だ。

共通の利害を探す

不動産では、交渉にさまざまな利害関係者が関わることが多い。前に進む道筋を見つけるには、創意工夫が求められる。例えば、取引を円滑に完了させたい、一定の期限内にまとめたいなど、双方が特定の目標を共有していると認識できれば、会話は「全員にとっての勝ち」を見つける方向へと転じる。

プロフェッショナリズムを保つ

ヴォスは著書の中で、彼が「深夜のFM DJボイス」と呼ぶものに触れている。これは、議論を建設的に保つのに役立つ、落ち着いた安定した声のトーンを指す。難しい会話の最中であってもプロフェッショナリズムを維持することは、交渉を成功に導く重要なステップだ。全員が少し距離を置いて状況を捉え直せるよう、いったん休憩し、後日に議論を再開するのも有効だろう。

十分に準備する

交渉を始める前に、自分の目標を理解し、状況を調べておくことが重要だ。そうすることで、現実的な期待値を軸に会話を組み立て、新たな展開にも対処しやすくなる。着地点が明確であれば、その方向へ議論を導きつつ、創造的な解決策にも開かれた姿勢を保てる。

結局のところ、最も成功する交渉とは、関係者全員に価値を生み出す交渉である。双方が「自分たちの利害はきちんと扱われた」と感じられる状態を目指したい。うまく進められれば、成功した交渉は関係性を強め、将来の機会につながる。

forbes.com 原文

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