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2026.04.26 11:32

なぜ優秀な社員が真っ先に解雇されるのか?見落としがちな3つのシグナル

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最近、最も成果を上げている部類の社員が職を失うケースが出ている。今は厳しい局面であり、自分が「安全」な職に就いているのか、それとも早晩なくなる可能性のある職なのかが見極めにくい。意外かもしれないが、多くの高評価社員が置き換えられている理由は、AIそのものとはあまり関係がないことも多い。ときに問われているのは、定義が曖昧な状況でも上司があなたに安心して任せられると感じるかどうかであり、そのためには自分の思考や判断が見える形で仕事をする必要がある。過去の人事評価に頼るだけでは、自分の職が安泰かどうかは判断できない。自分、ひいては自分の職務そのものが、思っている以上にリスクにさらされている可能性を示すシグナルが3つある。

シグナル1:上司が見ているのは成果物であり、思考プロセスではない

かつて多くの人は、仕事をすれば結果が自ずと物語ってくれると考えていた。自分の価値は明白であり、やるべきことを達成すれば職は安泰だと思い込んでいた。しかしそれは、あなたが提供したすべてのものに何が込められていたかを、上司が把握していることが前提となる。

だが実際には、人が目にするのは完成品だけであることが多い。検討したトレードオフ、途中で下した意思決定、別の文脈で同様の状況にどう対処するかといった点は見えにくい。その結果、判断力がないからではなく、判断がはっきり見えていないために、より高い裁量が求められる役割であなたが活躍する姿を描きづらくなる。

ここが優秀な人材が見過ごされるポイントである。結果は出していても、その結果がどのように生まれているかについて、周囲に十分な手掛かりを与えていない可能性がある。自分の価値をアピールする「目立ちたがり」的な行動を好まない人も多い。しかし、別の誰かが自分の考え方をより積極的に発言し、アプローチを共有していれば、その人のほうが後になって信頼されやすくなる。

シグナル2:上司があなたを「職務の枠内」だけで捉えている

役割が、正式な更新が追いつかないほどの速さで変化している今、上司は現在の仕事をどれだけうまくこなしているかだけでなく、別の仕事を任せたときにどう対処するかも見極めようとしている。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査は、組織が適応力と曖昧さに対処する力を、特に絶え間ない変化の時代において、より重視するようになっていることを示している。つまり、期待が明確なときだけでなく、仕事が明確に定義されていないときにどう反応するかで評価される。すべての実績が現在の職責に結びついているだけでは、その外側で動く姿を他者が描きにくくなる。

だからといって、能力や守備範囲を示すために新しい肩書きが必要という意味ではない。ただし、自分の直接的な役割を超える問題をどう考えるかは示す必要がある。割り当てられたことに過度に集中し、たとえそれをうまくこなしていても、現行の構造には合うが将来の方向性を形づくる人ではない、と見なされるリスクがある。

シグナル3:上司は、あなたがタスクを進めるよりも「明確化を待つ」姿を見ている

多くの人は、確実だと感じられるまで意思決定を先延ばしにする。上司は、変化への反応速度や、支援なしでも小さな選択を下せるかどうかを通じて、あなたのポテンシャルに関する見立てを形成することが多い。すべてが定義されるまで立ち止まるのではなく、分かっている範囲で動けることを求めているのだ。物事を前に進める質問をするのか、それとも「何をすべきか」を逐一指示されるのを待つのか。

LinkedInの調査でも、適応力と学習能力は、上司が「残す人材」や昇進させる人材を決める際に重視する資質の上位に一貫して挙げられている。この適応力重視は、明確な正解が見えない状況を人がどう扱うかに由来する。そうした状況での振る舞いは、日常業務よりも、あなたがどのように仕事を進める人間かをより鮮明に映し出す。

繰り返し指示を必要としたり、不確実な状況でためらったりすることは、能力がないという意味ではない。しかし、将来の状況にどう対処するかについて疑念を生みうる。対照的に、動いて、調整して、勢いを保てれば、別次元の自信を示すことになる。

なぜこれは「業績」だけの話ではないのか

これら3つのシグナルは、本人が仕事をきちんとこなしている場合でも起こりうる。すべてが順調だと思っていたのに解雇される人にとって、これが混乱と苛立ちを生む理由である。問題はアウトプットの多寡ではなく、そのアウトプットがどう解釈されているかにある。

ハーバード・ビジネス・レビューで議論されている研究によれば、上司は過去の実績だけでなく、認知された潜在力や将来の貢献にもとづいて人材判断を下すことが多いという。つまり、人は「すでに何をしたか」だけでなく、「次に何をすると思われているか」で評価されている。これらのシグナルが明確でなければ、高い成果だけでは十分ではない。

置き換えられにくい社員の条件

強いポジションに残る人は、周囲が理解しやすい状態をいくつかつくっている。意思決定への向き合い方を他者が追えるよう、思考を可視化する。現在の役割を少しだけ越境し、別のことを任された場合の対処を示す。そして、不確実な状況でも、常に指示を仰がなくても適応できると周囲が確信できる動き方をする。

デロイトの調査は、上司が誰に任せるかを決める際に、判断力、コミュニケーション、変化を乗りこなす力を主要因として重視していることを示している。これらの資質はパフォーマンスと切り離されたものではないが、業績だけで捉えられるものでもない。何を生み出したかだけでなく、どう働くかに表れる。

これらのシグナルが「最初に置き換えられる社員」を説明する理由

意思決定が下されるとき、それは往々にして、完全に定義されていない状況で上司が「安心して頼れる」と感じるのが誰かにもとづく。残る社員は、これから先の局面を任せられる姿を周囲が想像できる人であり、置き換えられる社員は、堅実に仕事をしていても、そのシグナルを明確に示していないことが多い。もし解雇が寝耳に水だったとしても、その判断はおそらく偶然ではない。結果そのものではなく、上司が見てきたものをどう解釈したかにもとづいていた可能性がある。この違いこそ、良い仕事をしていても職を失うことがありうる理由である。

forbes.com 原文

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